2021年01月17日 11:48 公開

ドイツのアンゲラ・メルケル首相が率いてきた最大与党の中道右派、キリスト教民主同盟(CDU)は16日、3候補が出馬した党首選をバーチャル投票で行い、西部ノルトライン・ウェストファーレン州首相のアルミン・ラシェット氏(59)を新党首に選出した。

中道派のラシェット新党首は、メルケル氏が今年9月に在任16年を経て首相を退任した後、その後継になる可能性が高い。ただし、ドイツの政治情勢も新型コロナウイルスのパンデミックによる影響を受けており、見通しは不透明だ。

ラシェット氏は保守派ビジネスマンのフリードリッヒ・メルツ氏と決選投票を争い、521対466で勝った。

2年前にメルケル首相の後任とみなされて党首に就任したアンネグレート・クランプ=カレンバウアー氏は、昨年2月に辞意を表明し、首相を目指すつもりはないとしていた。

ドイツの連邦議会選挙は今年9月。連立与党から誰が首相候補として立つことになるのかは、今年春に決まる。

ラシェット新党首の下で副党首のひとりとなったイエンス・シュパーン保健相が、与党・キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の首相候補に出馬する可能性も取りざたされている。連立与党のキリスト教社会同盟 (CSU)党首で南部バイエルン州首相のマルクス・ゼーダー氏も、有力な新首相候補と見られている。どちらもまだ立候補を表明していない。

メルケル首相を長年支えてきたラシェット氏は、党首選ではCDUにとって方向転換は「間違ったメッセージを送る」と主張していた。

新党首としての勝利演説で、「全員が今年を通じて団結できるよう、できる限りのことをするつもりだ。(中略)そして次の連邦議会選で選ばれる次の首相が確実に、(CDU・CSUの)連立から出るようにする」と述べた。

ベルリンで取材するBBCのジェニー・ヒル特派員によると、ラシェット新党首は伝統的なお祭りに熱心に参加するなど、陽気な人柄で知られている。2015年の難民危機でもメルケル氏の難民受け入れ政策を支持し、リベラルな政策や欧州連合(EU)推進などメルケル路線の継承を掲げているという。

ただし、昨年春に新型コロナウイルス対策のための行動制限を早々に緩和したことは、メルケル首相をはじめ大勢の驚きと反発を招いたといわれる。ラシェット氏はその後、感染対策強化に方針を変更したものの、政治家としての信頼回復に苦心してきた。

(英語記事 Armin Laschet elected leader of Merkel's CDU party