2021年01月20日 16:13 公開

タイにルーツを持つ客に提供したカップに「つり目」の顔のイラストを描いたとして、アイルランド・ダブリンのスターバックス店舗が19日、賠償金1万2000ユーロ(約151万円)をこの客に支払うよう命じられた。

賠償金の支払いを命じられたのは、ダブリン郊外タラトでスターバックス・タラトとして店を営業する会社Atercin Liffey Unlimited。

タイにルーツを持つスチャワディー・フォリー氏は昨年1月12日、抹茶ティーラテを購入するためこの店舗を訪れた。

フォリー氏は店員がカップに書けるよう、自分の名前を短くして伝えようとしたという。

アイルランドの職場関係委員会(WRC)は、フォリー氏が「Equal Status Act(平等な地位保護法)」 に反する人種差別的な嫌がらせを受けていたと判断した。

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WRCのケヴィン・ベンハム審査官は、フォリー氏のカップであるとわかるように、スターバックスの従業員がスマイルマークに「つり目」を描いたことに議論の余地はないと述べた。

そして、「この視覚的描写が彼女の人種に関連しているのは明らか」であり、「19世紀のカートゥーン(漫画)みたいに不快で想像力に欠けたもの」だとした。

「人種との関連は明らか」

フォリー氏は人種差別を受け、不快で屈辱的な思いをしたと証言。友好的な出来事ではなかったとした。

フォリー氏によると同氏はアイルランド人で、5~6歳頃に両親と一緒にタイから移住した。

ベンハム審査官は、カップにフォリー氏の名前ではなく「身体的な描写が用いられた。この場合は、彼女の目だ」と指摘。「これは原告自身を描写したものではなく、彼女の一部を描いたもので、人種と関連があるのは明らかだ」と付け加えた。

「魅力的だったので」顔を描いた

ベンハム氏は、従業員には「彼女に屈辱を与えたり、不快な思いをさせるつもりはなかった」とし、「これは従業員側のミスであり、従業員は後悔している」と認定した。

ブラジル出身の従業員は通訳を介し、「原告のことを魅力的だと思ったので」笑顔のイラストを描いたと証言した。

昨年1月当時、店舗で働き始めて約1カ月だった従業員は、「親切にするよう教えられていた」とした。

この従業員は誕生日関連のイラストを望んでいる子供を除き、カップにイラストを描くのをやめているという。

「いかなる差別も認めない」

店舗側は、防犯カメラ映像で確認したところ「原告側が好意的な扱いを受けていなかったという事実はなく、他の客も自分たちがあしらわれたイラストを描いてもらっていた」とし、この出来事は「害のない」ものだとした。

また、店舗では従業員が禁止行為をしないよう、「合理的に実行可能な」対策を取っていたとも主張した。

スターバックスの広報担当者は「深くお詫びする」とした。「我々はスターバックスでのいかなる差別も決して認めない」。

「我々は、弊社パートナーが当該顧客に嫌がらせをするつもりではなかったという審査官の判断を受け入れ、このようなことが再び起きないよう、当該店舗のチームを再教育している」

(英語記事 Pay-out over Starbucks 'slanty' eyes drawing