2021年01月21日 11:56 公開

高級ファッションブランドのプラダは19日、キャンペーンに起用した中国人女優に代理母出産をめぐる問題が浮上したことを受け、この女優との契約を解消した。

女優・鄭爽(ジェン・シュアン)氏は、海外で代理母が出産した子ども2人の母親で、パートナーと破局後、養育を放棄したとされる。

このことが表面化すると、鄭氏への批判が噴出。エンターテインメント業界からの排除を求める声も高まった。

代理母出産は中国では違法。

スキャンダルが表面化してからまもなく、プラダ・グループは中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」の同社ページで声明を発表。鄭氏の「私生活」をめぐる「最近の重大なメディア報道」により、「すべての関係」を打ち切るに至ったとした。

中国メディアによると、同社は1週間ほど前に、鄭氏を中国でのキャンペーンの「顔」に起用すると発表したばかりだった。

問題となったのは

騒動の発端は、鄭氏のパートナーだった張恒(チャン・ヘン)氏が、長期間にわたって外国にとどまっていた理由を微博に投稿したことだった。

張氏は、自らの子どもである「幼く罪のない2つの命」の世話をしていたと説明。アメリカから出られないとし、「どうにもできない」状況だと記した。


この投稿はすぐにソーシャルメディアで話題となり、中国メディアは子どもたちの出生証明書を見つけ出した。そこには、子ども2人が2019年後半と2020年前半にアメリカで、それぞれ別の女性から生まれたことが記されていた。

また、鄭氏が2人の母親となっていることが明記されていた。

音声が流出

こうして浮上した鄭氏の代理母利用の疑いは、インターネットに流出した録音からも、事実である可能性が高まったように思われた。録音では、鄭氏と思われる人物が、妊娠中絶には遅すぎるとして不満を述べている様子が確認できる。

中国国営の英字紙・環球時報(グローバルタイムズ)によると、代理母となった女性たちは当時、妊娠7カ月近くだったという。

録音ではまた、鄭氏の父親とされる男性が、子どもたちは養子に出すことができると発言している。

この録音は多くの人々の怒りを買い、鄭氏を「残酷」で無責任な母親だとする非難が噴出した。

女優の弁明

鄭氏は19日に声明を発表。流出した録音は、6時間にわたった話し合いのごく一部だと説明した。また、「自分の発言から逃げる」つもりはないとしたが、具体的な内容には触れなかった。

中国メディアは、張氏が子どもたちを連れて中国に入国するには、鄭氏の署名入りの文書が必要となる可能性について報じている。

中国国営CCTVは、中国政府が「すべての代理母出産」を禁じていると強調する声明について報道。「代理母出産と子どもの養育放棄は、社会モラルと公序良俗に反する」と伝えた。

ソーシャルメディアの微博では、代理母出産は反道徳的だと批判し、海外での費用を負担できる富裕層だけの選択肢だとする意見が多くみられた。

一方、環球時報は、結婚問題を取り扱う北京の弁護士の話として、代理母出産は中国では違法だが、海外でそうしたサービスを利用した人を中国の法律で訴追することはできないとする見方を紹介した。

この弁護士は同時に、「子どもの養育放棄」に対しては「中国の司法権が及ぶ」と述べた。

(英語記事 Prada drops actress over alleged surrogacy row