2021年01月21日 16:57 公開

ジョー・バイデン米大統領は20日、就任から数時間後に、15件の大統領令に次々と署名した。「パリ協定」への復帰など、ドナルド・トランプ前大統領の主要政策を覆すものも含まれている。

バイデン氏はこの日、就任式を終えるとホワイトハウスで執務を開始した。途中、「私たちが直面している危機への対策では一刻もむだにできない」とツイートした

最初に署名した大統領令は、新型コロナウイルス危機への連邦政府の対策を強化するよう命じるものだった。

その後、気候変動や移民などの問題に関し、トランプ前政権がとってきた姿勢を転換する大統領令にも署名した。

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新型ウイルス対策では

大統領令への署名にあたり、バイデン政権は声明を発表。大統領は「トランプ政権による深刻なダメージを回復するだけでなく、私たちの国の前進に取り掛かる」とした。

国内で死者が40万人を超えている新型ウイルスの流行では、いくつかの対策を続々と実施する予定だ。

連邦政府が所有する建物や敷地では、マスク着用と社会的距離の確保が義務付けられる。

感染対策にあたる新たな部局も設立する。また、トランプ政権が進めていた世界保健機関(WHO)脱退の手続きを停止する。


国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、この動きを歓迎した。グテーレス氏は、世界が協調して取り組むにはアメリカの関与が「きわめて重要」と考えていると、同氏の報道官は述べた。

「パリ協定」復帰へ

バイデン氏は、2015年に採択された温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に復帰する手続きの開始を命じる大統領令にも署名した。アメリカは昨年、トランプ政権下で同協定から正式に離脱した。

バイデン氏の気候変動問題担当特使となったジョン・ケリー元国務長官は、大統領令の署名について、気候変動問題におけるアメリカのリーダーシップにとっての「上限ではなく最低限」の条件を整えるものだとツイートした

バイデン氏はまた、カナダとアメリカ間の「キーストーンXLパイプライン」の敷設に対する大統領の許可を取り消した。パイプライン設置に対しては、環境保護派や米原住民グループらが10年以上反対し続けている。

ジェン・サキ大統領報道官によると、バイデン氏は22日に、大統領就任後初の外国首脳との会談として、カナダのジャスティン・トルドー首相と電話で話をする。その際に、パイプラインについても協議する予定だという。


パイプラインをめぐっては、2015年に当時のバラク・オバマ大統領が、建設を認める法案に拒否権を発動した。

一方、移民問題では、メキシコ国境の壁の建設に補助金を出すことの根拠となっていた、トランプ政権の国家非常事態宣言を無効とした。また、イスラム教徒が多い国を対象としていた入国規制も廃止した。

これらのほか、人種やジェンダーの平等に関する大統領令も署名された。

(英語記事 Biden sets to work on reversing Trump policies