
2021年01月22日 11:33 公開
韓国の裁判所は21日、スピードスケート同国代表チームの元コーチに対し、選手に性的暴行をしたとして、懲役10年6カ月の刑を言い渡した。
判決は、ショートトラック韓国代表の元コーチ・チョ・ジェボム被告(39)について、2018年に韓国・平昌で開かれた冬季オリンピックの前に、同国トップ選手だった沈錫希(シム・ソクヒ)選手に性的暴行をしたと認めた。
裁判所はチョ被告に対し、懲役刑に加え、200時間にわたって性犯罪者の治療を受けることと、7年間は子どもや若者に関係する仕事につくことの禁止を命じた。
チョ被告は、言葉による虐待と身体的な虐待をしただけだと主張していた。
最初は暴力行為で
韓国ではセクハラ被害者を支援する「#MeToo(私も)」運動が高まり始めた時期に、スポーツ選手らが指導者から虐待を受けたと次々と訴え出た。
ショートトラックの五輪金メダリストの沈選手は2018年1月に、10代のころからチョ被告に繰り返し暴力を受けてきたと告発した。
沈選手は、7歳のときからチョ被告にたたかれ、アイスホッケーのスティックで指の骨を折られたこともあったと訴えた。
その後、チョ被告の指導を受けていた他の選手たちも被告を告発。裁判で被告は、沈選手と別の3人の選手に暴行したとして、懲役10カ月の有罪判決を受けた。
性暴力も告発
2018年12月になり、当時21歳だった沈選手は、チョ被告から性暴力を受けていたと新たな告発をした。
沈選手は、性暴力はまだ学生だった2014年から、平昌冬季オリンピックの直前まで続いたと訴えた。
この告発を受け、チョ被告の刑期を長くするよう求める署名が25万筆近く集まった。
チョ被告は訴えを否定し、言葉や身体的な暴力は「罰」としてしたものだったと主張していた。