
2021年01月22日 13:36 公開
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は21日、新型コロナウイルス対策のロックダウン下での生活支援として、すべての大学生に1日2食の食事を1食1ユーロ(約126円)で提供すると表明した。
マクロン氏はパリ・サクレー大学で開かれた学生との対話集会で、「よりよい支援を提供しなくてはならない」と述べ、食事支援を約束した。
また、カウンセリングなどの精神衛生サービスの利用を、政府として助成する方針を明らかにした。利用券を発行する方法を考えているという。
夜間(午後6時~翌朝6時)の外出禁止が続くフランスでは、孤独と経済的困難へのさらなる対策を政府に求め、学生らが抗議行動を起こしていた。
同国の新型ウイルス感染者はここ数週間、堅調に増え続けている。
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学食や近所の店で
マクロン氏の説明では、安価な食事は、大学の食堂や持ち帰りの食事を提供している近辺の店で提供される。
マクロン氏は「不確実な時期が続いている」、「新型ウイルスと多くの制限が存在する2学期が始まる」と説明。「互いに支援し合うことが必要だ」と述べた。
前日の20日には、新型ウイルスの流行に起因する精神衛生面の問題を抱えている人が増えていることに、政府が対応するよう求める学生らがデモを繰り広げた。
大学の精神衛生関係者らは、孤独や活動の減少、就職への心配などが合わさり、多くの学生が精神的に参る直前だとしている。
南部モンペリエの学生ライアン・ケネディさん(19)は、「9月からワンルームのアパートに独りで暮らしている。独り暮らしは、人生でこれが初めてだ」、「毎日、友人から電話がかかってくる。みんな精神の健康を保つのに苦労している」とBBCに話した。
北東部ストラスブールで政治学を学ぶハイディ・スーポーさんは先週、マクロン氏宛に手紙を送ったという。「もう夢は持てない」、「19歳で将来の希望も見通し持てないとしたら、あとは何があるのか」と彼女は話した。
週1回の登校を示唆
デモに参加した学生の多くは、対面式での授業再開を求めている。1年生の一部は、今月25日から教室で授業を受けられるようになる。
マクロン氏は21日、特定の対策が取られていることを条件に、すべての学生が週1回はキャンパスに行くことが許可されるべきとの考えを示した。
「あなたたちの世代が経験してきたことを考えれば、大学に行き、先生と交流し、他の学生らと会う権利を考慮しないわけにはいかない」
フランスでは昨年12月に夜間外出禁止措置が始まり、1月16日に開始時間が前倒しされた。
バー、レストラン、劇場、映画館、スキー場は閉鎖されている。学校は開校されており、ウイルス検査が進められている。
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