
2021年01月25日 13:45 公開
フランス政府の医療顧問トップは24日、新型コロナウイルスの流行対策として、同国で3度目となる全国的なロックダウン(都市封鎖)が近く必要になるだろうとの見通しを示した。
フランスは16日から、より厳しい夜間外出禁止措置を実施。しかし、感染者数の増加傾向が続いている。
新型ウイルスの感染流行について政府に助言する科学委員会のトップ、ジャン=フランソワ・デルフレシー教授は「緊急事態だ」と警告。今週の動静が重要だと述べた。
同教授はまた、変異株の拡大が懸念される状況で、迅速な対応を政府に要求。イギリスで最初に確認された、より感染力が強い変異株は、フランスの一部地域において感染者の7~9%で確認されているとし、今後の感染拡大を止めるのは難しいと述べた。
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デルフレシー教授はフランスの状況について、ヨーロッパ諸国よりはいいと説明。一方で、新たな変異株は、「第2のパンデミックに等しい」と述べた。
テレビ局BFMのインタビューでは、「規制を強めなければ、3月中旬以降、極めて難しい状況となるだろう」と語った。
政府は都市封鎖に消極的
フランス政府は27日に、追加対策の必要性を検討する会議を開く見通し。
政府としては、3度目の全国ロックダウンの実施は避けたい考えだ。学校を閉鎖せずに済む、夜間外出禁止が好ましいとしている。
だが、1日あたりの感染者数は増え続けている。現在、午後6時以降の外出が禁じられているにもかかわらず、7日間の移動平均は2万人を超えている。
ジャン・カステックス首相はこれまで、状況がさらに悪化すれば「遅滞なく」新たな規制を導入する可能性について発言している。
フランスでは新型ウイルスの死者が24日に7万3000人を超えた。そうしたなか、入国規制が強化されている。
新たな規制では、欧州連合(EU)加盟国から航空機や船で入国する人には全員、渡航72時間以内に発行された新型ウイルス検査の陰性証明を提示するよう義務付けた。陸路による入国者は、国境をまたいで出勤する人を含め、検査を受けることは求められない。
欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は先週、必要不可欠ではない移動は「避けることが強く求められる」とした。しかしEU各国はこれまでのところ、国境を封鎖しない方針で一致している。
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