小澤美佳(株式会社ニット広報/オンラインファシリテーター)

 新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークが普及し、オンラインツールを活用しながら業務を行う方も増えました。正直なところ、「実際に人と会わなくても業務は進められる」ということに気付かれた方も多くいると思います。一方で、「仕事以外で会社の人と話したりする機会がほしいな」と思っている方も同じくらい増加しているという声も伝わってきています。

 コロナでなければ開催していたはずの忘年会、新年会、入社式、お花見など社内イベントを今年も見送りにしようと考えておられる企業も多いことでしょう。ですがこれから先、いつまで続くか分からないコロナ禍で、ずっと中止にしてしまってよいのでしょうか?

 そもそも社内イベントはなぜ行われるのでしょう。会社は、個人が集まり、人生の時間を共にする場所です。もちろん、業務を遂行して事業を前へ進め、利益を追求したり社会に貢献することも目的としてあります。しかし、時として「会社」という場所や、そこにいる人と人とのつながりを通じて士気が上がったり、心理的安全性が高くなるのもまた会社の良さや意義でもあります。

 だからこそ飲み会や期末の打ち上げ、忘年会などはその会社や組織の仲間であることを感じられる、とても大事な機会なのです。

 私が所属するニットでは、創業時からフルリモートで事業を運営しており、現在世界33カ国400人のメンバー全員がリモートワークという形で働いています。オンラインで遂行してきた業務のノウハウを生かし、さまざまなオンラインイベントを実施しています。

 新型コロナウイルスで世の中が暗いニュースばかりの中、昨年8月には1千人以上を集客した「バーチャル世界一周旅行」や、12月には6時間×2チャンネルの16コンテンツという「日本最大級のオンライン忘年会」などを開催しました。このようにコロナ禍でも「オンラインでもみんなが楽しめるイベントは作れる!」ということを、ご紹介できればと思います。

 まず、これはリアルイベントでも同じですが、そもそも参加者がいないとオンラインイベントは成り立ちません。当社も社内のオンラインイベントを実施したばかりのころは、参加者を募った際に人数が少なく頭を悩ませました。

 イベント企画時に特に参加してほしいと考えていたのは、「参加したいけど、どうしようかな?」と迷っている人たちや、育児に追われてなかなか飲みに行くことができない人たちなど、「参加すること」に葛藤を持つ人々でした。

 当社では子育てをしているメンバーが半分以上所属しているため、子供を寝かしつけした後に参加できる時間帯と、また世界33カ国にメンバーがいるので時差がある人もなるべく参加可能にするために、開始時間を21時30分に設定しています。

 その他にも、当社に入ったばかりのメンバーなどにも気軽に参加してもらえるよう個別に声をかけたり、途中参加や退出しやすいプログラムの設定、タイムテーブルを事前に知らせることで、それぞれの都合に合わせて入退出できるシステム作りを意識するようにしました。

 リアルの場だと「最初から最後まで参加しないと!」という強制力を感じることもありますし、退屈する人やその場になじめない人がいることも考えられますが、それはオンラインでも一緒です。だからこそ「みんなが楽しめる場にするにはどうしたらいいか」についても事前に幹事団で話し合いを重ね、オンライン上で大人数でも楽しめるビンゴ大会やクイズをプログラムに盛り込みました。
オンラインにてビンゴ大会を開催しているようす(ニット提供)
オンライン開催した忘年会でビンゴを楽しむ参加者ら(ニット提供)
 クイズでは「会社のビジョンはなんでしょう?」など、メンバーなら分かるクイズにしたり、「社長がハマっているプロテインはなんでしょう?」といった社長に近しいメンバーも知らないクイズを出すなど、会社の理解を深めつつ、社員一人ひとりの個性を感じるクイズも作ることが可能です。 

 また、ビンゴ大会はグーグルのスプレッドシートを活用し、ビンゴカードを作ることで手元に紙のカードがなくても実施可能です。さらに、誰がビンゴか一目瞭然なので公平性があり、盛り上がるポイントになります。