2021年01月27日 12:19 公開

イギリスで26日、新型コロナウイルスによる死者が10万人を超えた。欧州で死者10万人を超えたのは同国が初めて。

イギリスではこの日、検査で陽性となってから28日以内に死亡した人が新たに1631人報告され、これまでの死者が10万162人となった。

ボリス・ジョンソン首相は、首相官邸での記者会見で、「この厳しい統計に込められた悲しみは測ることができない」と語った。

また、政府の感染症対策について「全面的に責任を取る」とした上で、「できることは本当に、すべて行った」と述べた。

死亡証明書を元にした国家統計局(ONS)の統計では、パンデミック開始以来、すでに10万4000人近くが新型ウイルスで亡くなっている。一方、検査で陽性となった人を対象としている政府の統計では、わずかに少ない。

マット・ハンコック保健相は、死者数について「心が痛む」と話した上で、「厳しい時期が待っている」と警告した。

「ワクチンによって出口が見えているが、ここで止まってはいけない」

イギリスでは昨年12月にワクチン接種が始まり、すでに680万人以上が1回目の接種を受けている。

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これまでに死者が10万人を超えたのはアメリカ、ブラジル、インド、メキシコの4カ国。イギリスは5カ国目となった。

同国では感染力の高い変異株によりここ数週間で患者が急増。それに伴い、新型ウイルスによる致死率も世界で最も高い部類に入っている。

26日には新たに2万89人の感染が報告された。新規感染者はここ数日減少傾向にあるものの、入院患者数や1日の死者数はなお多い。

イングランドは1月5日からロックダウンに入っているが、ジョンソン首相は、新型ウイルスの感染率は「厳しいほど高い」ままだと説明した。

イングランドのロックダウンでは、食料品の買い出しや運動、在宅勤務ができない場合の通勤などを除き、外出が禁止されている。スコットランド、ウェールズ、北アイルランドでも同様の措置が取られている。

ジョンソン首相は、「さまざまなものを再開できる時期や方法」について、「数日か数週間以内」に詳細を発表すると話した。

記者会見に同席したイングランド首席医務官クリス・ウィッティー教授は、死者数は「向こう2週間でゆっくりと減り、その後はしばらく横ばいで推移するだろう」と述べた。

また、変異株によってイギリスの感染状況は「非常に大きく」変わったと指摘。ロックダウンの制限をしても感染率は「やっと上昇しない状態」だと話した。

国民保健サービス(NHS)のサー・サイモン・スティーヴンス最高責任者は、「新型ウイルスの重症患者に対する病院治療は改善が続いている」と述べた。

その上で、「向こう6~18カ月でさらに治療法が確立されるだろう」、「新型ウイルスが治療可能になる将来は見えているが、今のところは感染を少なくし、ワクチン接種を行うことしかない」と話した。

最大野党・労働党のサー・キア・スターマー党首は、死者10万人突破は「国全体の悲劇だ」と批判。政府はパンデミック対策の「すべての場面で遅れを取り」、夏の間の経験を生かせなかったと述べた。

政府で新型コロナウイルス対策顧問を務めていたニール・ファーガソン教授も、昨秋にもっと対策を取っていれば死者を減らせただろうと指摘した。

ファーガソン教授はBBCのラジオ番組の取材で、「感染者数が増加し始めた昨年9月にもっと早く、もっと厳しい対策を取っていれば、感染者を少なく抑える政策を取っていれば(中略)ここ4~5カ月間に亡くなった人の多くは救えたはずだ」と話した。


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(英語記事 'Hard to compute sorrow' of 100,000 deaths - PM