2021年01月27日 12:50 公開

アメリカのジョー・バイデン大統領は26日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と初の電話会談を行った。ホワイトハウスによると、バイデン氏はロシアが米大統領選に介入したとして警告したという。

20日に米大統領に就任したバイデン氏とプーチン氏の初の電話会談では、ロシア国内で続く野党派支持者らによる抗議デモや、米ロ間に残された唯一の核軍縮条約「新戦略兵器削減条約(新START)」などについて話し合われた。

ロシア政府の声明によると、プーチン氏は昨年11月の米大統領選で勝利したバイデン氏に祝意を表明した。

両者は今後も連絡を取り続けることで合意した。

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ドナルド・トランプ前大統領は、プーチン氏に対して強硬姿勢を十分示せていないと非難されていた。

バイデン氏が副大統領として支えたバラク・オバマ元大統領もまた、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の一方的な併合や、ウクライナ東部への侵攻、シリアへの強引な介入を阻止できず、ロシアに対する影響力の弱さを非難された。

電話会談の内容は

「バイデン大統領は、我々や同盟国に害を及ぼすロシアの行動に対応し、アメリカは国益を守るために断固とした対応を取る用意があると、明確に伝えた」と、米政府は声明で明らかにした。

また両首脳は、米テキサス州のソーラーウィンズ社が開発したネットワーク管理ソフトへの大規模サイバー攻撃や、ロシア情報当局がアフガニスタンの反政府組織に米兵の殺害に賞金を提供していたとする報道、ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の毒殺未遂疑惑についても話し合ったという。

一方、ロシア側の発表は、ホワイトハウスがバイデン氏が提起したとする問題点について触れていない。

ロシア当局は、プーチン氏が「ロシア・アメリカの関係の正常化は、両国の利益に見合うものだ。そして、世界の安全と安定の維持という特別な責任を考慮すれば、国際社会全体の利益にも見合うだろう」と述べたと説明。

その上で、「全体としては、ロシアとアメリカの首脳による会談はビジネスライクで率直なものだった」とした。

BBCのバーバラ・プレット・アッシャー米国務省担当特派員は、バイデン氏がプーチン氏に対して、トランプ氏よりも強硬な姿勢を取る方針を示していると指摘する。

バイデン氏はプーチン氏に対し、ロシアが2016年と2020年の米大統領選に介入しようとしたことを認識していると伝えたと報じられている。また、サイバースパイ活動やいかなる攻撃からもアメリカを守る用意が出来ているとも伝えたという。

バイデン氏は他に何を

米ロ電話会談が行われた26日、米上院はバイデン氏が国務長官に指名していたアントニー・ブリンケン氏について、賛成78票、反対22票でこの人事を承認した。

その後バイデン氏はホワイトハウスで、同氏がアメリカの制度的人種差別だとする問題への対処を盛り込んだ4件の大統領令に署名した。

「今こそ行動する時だ。この国の核となる価値観が我々にそうするよう求めているからだ。民主党員、共和党員、無所属の大多数がこれらの価値観を共有し、我々に行動を求めていると信じている」と、バイデン氏は述べた。

バイデン氏はまた、民間企業が運営する刑務所との契約を更新しないよう司法省に指示した。しかし、この動きを支持する人たちからは、民間が運営する移民収容センターが対象になっていないと指摘する声が上がった。

住宅政策の差別根絶を指示

バイデン氏は住宅都市開発省に対しても、住宅政策から人種差別を根絶するための措置を講じるよう命じた。

米紙ワシントン・ポストによると、住宅都市開発省は不動産業者が入居者に対する犯罪歴調査や、支払い能力に関する信用度を見極めるための人工知能(AI)の使用を禁止することを目的とした、2013年の「間接的差別」に関する規則を復活させる方針という。

今回の大統領令は、部族の主権を尊重することを米政府に改めて求めている。既存の連邦政府の方針から大きな変更はないとみられているが、一部のネイティブアメリカン関係者は、トランプ政権下では公有地の決定をめぐる自分たちの反対意見が無視されていたと述べた。

バイデン氏はアジア系アメリカ人や太平洋諸島系コミュニティーに対する、新型コロナウイルスに関連した差別を防ぐ大統領令にも署名した。

こうした中、カマラ・ハリス副大統領はワシントンの連邦保健機関で2回目の新型ウイルスワクチン接種を受けた。

「自分の番が来たらワクチンを接種するよう、みなさんにお願いしたい」とハリス氏は述べた。

ハリス氏は昨年の選挙戦で、トランプ政権下で開発される可能性のあるワクチンの安全性に疑問を呈し、批判を受けた。ハリス氏が26日に接種したモデルナ製ワクチンは、トランプ政権時代の保健当局が承認したもの。

(英語記事 Biden raises election meddling in Putin call