2021年01月27日 14:04 公開

インドの首都デリーで26日、政府の農業改革に関する新法に反発した農業従事者がデモを行い、一部で警察と衝突する騒ぎとなった。1人が死亡したほか、警官80人以上が負傷したという。

衝突は、数千人のデモ参加者がデリー市内に入ろうとしたところで発生した。また、ユネスコ世界遺産に指定されている市内の「赤い城」にも抗議者が押し寄せ、城壁付近を一時占拠した。

新法に反対する農業団体は、この衝突を非難。「望まない、受け入れられない出来事を非難し残念に思うとともに、こうした行為におよんだ人々から距離を置く」と述べた。

一方で、農業改革に反対する抗議は続けるとしている。

インドでは昨年11月以来、デリー郊外で新法に反対するデモが続いている。政府は先に、法案を棚上げする提案をしたが、業界団体はこれを拒否している。

記念日のパレードから一転

この日は1950年にインドで正式に憲法が発布された共和国記念日だった。政府は農業従事者によるデモに反対していたものの、警察は記念パレードを邪魔しないという条件付きで許可していた。

トラクターを使った行進はデリー郊外の指定されたルートで行われていたが、パレードが近づいた際、トラクターが警察のバリケードを破って市街地に侵入。赤い城の警備を破って中に入り込み、城壁などによじ登る抗議参加者も出た。

最も激しい衝突は、デリー市街に向かう地下鉄駅近くで起きた。撮影された動画には、デモに参加した農家が木や金属の棒で警官を殴る様子や、警察が催涙ガスなどで対応する様子が映っていた。

警察は、この駅近くで横転したトラクターの運転手が死亡したと発表した。

アミト・シャー内相は、首都の警備のために警備会社15社に対し、武装警備員を派遣するよう要請したと発表。ANI通信によると、この他に5社も待機しているという。

一連の衝突について、警察は抗議に参加した農家らがルールを破り、「暴力と破壊に及んだ」と発表。しかしある農業連盟のリーダーは、暴力は警察から始まったと批判している。


問題の新法とは

この法律は、国内農家を長年守ってきた農作物の価格や在庫、売買に関する規制を緩和するもの。

農家には、新法によって価格保証などの特権が危険にさらされ、企業からの搾取に弱くなるのではないかとの懸念が広がっている。

ナレンドラ・モディ首相はこの法律を支持しているものの、農業団体からは「死刑宣告」だと批判が出ている。

多くのエコノミストや専門家は、インドの農業には改革が必要だという意見で一致している。しかし、新法制定に向けて動く前に農家に十分な聞き取りをしなかったと政府を批判する声もある。

(英語記事 India farmer leaders condemn Delhi violence