2021年02月01日 11:59 公開

ロシア各地で1月31日、帰国直後に拘束された野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議デモが行われ、約90都市で合わせて5000人以上が拘束された。人権監視団体が明らかにした。

モスクワの警察はこの日、市内中心部を封鎖した。

警察は抗議デモは違法だと主張。ロシア当局も新型コロナウイルスの感染拡大につながる恐れがあると警告した。

抗議行動を監視する人権NGO「OVDインフォ」によると、ロシア国内86都市で行われたデモで、計5000人以上が警察に拘束された。そのうち1608人がモスクワで、1122人がサンクトペテルブルクで拘束された。

ナワリヌイ氏の釈放を求めるデモは、1月23日に続き2回目。

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ウラジーミル・プーチン大統領を厳しく批判してきたナワリヌイ氏は昨年8月、ロシア・シベリアを旅客機で移動中に体調が悪化。同国の病院を経て、ドイツ・ベルリンの病院に移送された。ナワリヌイ氏はロシア当局が自分を暗殺しようとしたと主張しているが、ロシア政府は関与を否定している。

1月17日にベルリンから帰国したナワリヌイ氏は、モスクワ郊外の空港で逮捕された。ナワリヌイ氏は以前の横領罪などに対する禁錮刑が猶予中で、当局は執行猶予中の出頭義務に違反したことなどを逮捕理由としている。

ナワリヌイ氏は同月28日、自分の逮捕は「違法」だと主張した。弁護団も、逮捕理由を「ばかげている」と批判し、ナワリヌイ氏が夏からベルリンで治療を受けていたことは当局も承知しているはずだと主張した。

どこで抗議デモが行われたのか

BBCのサラ・レインズフォード・モスクワ特派員によると、1月31日の抗議デモでは、モスクワで抗議者が警察に接近したり安全な場所へ退避するなど、警察との駆け引きを繰り広げた。

動画では群衆が機動隊にバスへと連行される様子が確認できる。

抗議者たちはその後、ナワリヌイ氏が勾留されているマトロスカヤ・チシナ刑務所へ向かおうとした。

この日、ナワリヌイ氏の妻ユリア・ナワルナヤ氏も拘束されたが、後に釈放された。

モスクワでのデモに参加した40歳の女性は、「自分が完全な無法国家で暮らしていると理解している。独立した裁判所が存在しない警察国家にいると。汚職で支配された国にいると。違う生き方をしたい」とロイター通信に述べた。

プーチン大統領の故郷サンクトペテルブルクでは、群衆が「ツァーリ(ロシア皇帝の意)を追放しろ」と声を上げた。

シベリアのノヴォシビルスクでは、少なくとも2000人が「自由」や「プーチンは泥棒」などと声を上げながら市内を行進した。

同じくシベリアのヤクーツクでは、気温が零下40度まで下がる中、抗議が行われた。初めて抗議デモに参加したというイヴァン氏は、「当局の専制主義や無法主義にはうんざりだ。何の疑問にも答えが得られない。私は透明性や寛容、変化を求めている。だから私はやって来た」と述べた。

地元メディアによると、シベリア・オムスクでは約1000人が、ウラル地方のエカテリンブルクでは約7000人が抗議デモに参加した。

ナワリヌイ氏のモスクワ本部はこの日の抗議活動終了を発表し、2月2日にナワリヌイ氏の審問が行われるモスクワの裁判所で抗議活動に参加するよう支持者に呼びかけた。

先週からナワリヌイ氏の側近が多数拘束されている。同氏の弟や、ロシアの反体制パンク・ロックバンド「プッシー・ライオット」のメンバー、マリヤ・アリョーヒナ氏らは自宅軟禁されている。

ロシアの人権専門ウェブサイトの編集長セルゲイ・スミルノフ氏も30日に自宅の外で逮捕された。スミルノフ氏は先週の抗議デモに参加していたとみられ、同氏の逮捕にほかのジャーナリストたちから非難の声が上がっている。

モスクワの警察が、ナワリヌイ氏の支持者たちの勾留場所の確保に苦戦していると報じられている。

各国の反応

欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル・フォンテジェス外務・安全保障政策上級代表は「広範な逮捕や不相応な武力行使」を遺憾に思うとツイートした。

アメリカのバイデン新政権で国務長官に就任したアントニー・ブリンケン氏は、「平和的な抗議者やジャーナリストに対する厳しい戦術の執拗な行使」を非難。ナワリヌイ氏や野党支持者たちの釈放を求めた。

これに対しロシア外務省は、アメリカが「重大な内政干渉」を行っているとし、抗議活動を奨励するために「オンラインプラットフォーム」を利用していると非難した。

(英語記事 Thousands join Navalny protests across Russia