2021年02月02日 16:02 公開

イギリス王室のサセックス公爵ハリー王子は1日、根拠のない記事で被害を受けたとして提訴していた新聞社アソシエイテッド・ニュースペーパーズからの謝罪と和解金を受け入れると発表した。

高等裁判所に提出された声明でハリー王子の弁護士は、この記事は「根拠がなく、うそで、中傷を含んでいる」と非難した。

王子は和解金を、自身が創設した、負傷した退役軍人向けの国際スポーツ大会「インヴィクタス・ゲームズ」に寄付するとしている。

<関連記事>

アソシエイテッド・ニュースペーパーズが発行する英タブロイド紙「メイル・オン・サンデー」とウェブサイト「メイル・オンライン」は昨年10月、ハリー王子がイギリス海兵隊に「背を向けた」とする記事を掲載。昨年3月にハリー王子が公務から退いた後、海兵隊と連絡を取っていないと報じた。

王子は2006年から2015年までイギリス軍に在籍していた。2017年には祖父のフィリップ殿下の後継として、海兵隊元帥に任命された。

ハリー王子は、この記事は名誉毀損に当たるとして同社を提訴。王子の弁護士を務めるジェニー・アフィア氏は1日、ハリー王子が公務から退いた後も海兵隊をはじめとするイギリス軍と「繰り返し一致協力」し、支援を行ってきたと説明した。

その上で、「すでに甚大な損害を被った後だが」、アソシエイテッド・ニュースペーパーズが、記事に書かれた疑惑はうそだと認めたと述べた。

「(ハリー王子は)エリザベス女王の名の下、10年にわたってイギリス軍に仕えたことを誇りに思っており、それ以来、活発なつながりを維持し、将来も続けるつもりだ」

「最前線で命をかけている人々や、イギリスのために究極の犠牲を払った人々、そして軍人の家族に対するサセックス公爵の関わりは揺るぎなく、疑問の余地もないものだ。メイル・オン・サンデーとメイル・オンラインに掲載された根拠のない、偽物で中傷的な内容は、公爵個人への攻撃というだけでなく、公爵がイギリスへの献身に誤った疑問を投げかけるものだった」

アフィア氏はさらに、「この件から何か良いものが生まれると感じられるよう」、アソシエイテッド・ニュースペーパーズからの和解金をインヴィクタス・ゲームズ基金に寄付すると発表した。

ハリー王子は和解成立直後に法廷で声明を発表する予定だったが、「過度に偏った」ものだとして、判事に退けられた。

当初の声明には、アソシエイテッド・ニュースペーパーズに対する批判が含まれていたが、ニックリン判事は、公判中に読み上げる声明は「さらなる攻撃を仕掛けるもの」ではなく、「誤用」されてはならないと指摘。批判部分は合意の下で削除された。

メイルの謝罪

メイル・オン・サンデーは昨年12月に書面で謝罪を発表。ハリー王子が海軍とつながりを保っていることを認めた上で、インヴィクタス・ゲームズ基金に寄付すると述べた。

しかしアフィア氏はこの謝罪について、「ハリー王子が受けた非難の深刻さを著しく過小評価した文面だ」と批判した。また、メイル・オン・サンデーは寄付を申し出たが、ハリー王子は自分の名義で和解金を寄付したいと要求していると述べた。

ハリー王子とメガン妃は昨年3月に王室の公務から正式に退いた。

ハリー王子とメディアとの関係は、以前から不安定なものだった。母親の故ダイアナ元妃はハリー王子が12歳の時、メディアの注目を浴びた結果、交通事故で亡くなっている。

2016年には、当時交際関係にあったメガン妃に対するメディアの態度を「虐待とハラスメントの波」だと非難した。

公爵夫妻は新聞各社を相手にいくつかの訴訟を起こしている。

アソシエイテッド・ニュースペーパーズに対しても、メガン妃の父親のトーマス・マークル氏への個人的な手紙を不法に掲載したとして、個人情報の悪用などで提訴。この裁判は継続中だ。

(英語記事 Prince Harry accepts damages from Mail publishers