2021年02月04日 13:04 公開

英イングランド首席医務官のクリス・ウィッティー教授は3日、イギリスは新型コロナウイルスの現在のパンデミックの「峠を過ぎた」ものの、感染率はなお高いとの見解を示した。

首相官邸での記者会見でウィッティー教授は、新規感染者数や入院患者数、死者数は「減少傾向」に転じたが、新たな波が来ない保障はないと強調した。

一方、ボリス・ジョンソン首相は、新型ウイルスのワクチン接種が国内で1000万人を超え、75歳以上の9割が1回目の接種を終えたと発表。

それでも国民保健サービス(NHS)は「大きな重圧に中にある」と述べた。

イギリスではこの日、新たな感染者が1万9202人、陽性判明から28日以内に亡くなった人が1322人報告された。

ジョンソン首相によると、現在約3万2000人がCOVID-19で入院している。

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ウィッティー教授は記者会見で、新型ウイルスによる入院患者数が「顕著に」減っているものの、昨年4月の第1波よりもなお多いと説明。「非常に大きな問題が続いているが、正しい方向には進んでいる」と述べた。

感染率についても、下がってはいるがまだ高水準だと指摘し、もし感染率が再び上昇すれば「NHSはすぐに問題に直面するだろう」と話した。

ジョンソン首相も、ロックダウンなどの制限を緩和するには時期尚早との見解を示した。

「この新しい感染の波が始まってから初めて入院患者数が減り、希望のサインが見えたものの、感染の度合いはまだ危機的に高い状況だ」

その上で、2月22日にロックダウンを解除できるよう、閣僚が「ロードマップを敷いて」いく方針だと説明。一方でイングランドでの学校の再開時期について、3月8日より早くなることはないと述べた。

ワクチン接種の状況は?

ウィッティー教授は、ワクチンの供給が遅れていることから、イギリスの成人全員が5月までに1回目の接種を、8月までに2回目の接種を終える計画は「非常に楽観的な」シナリオだと述べた。

イギリスでは、感染リスクが最も高いグループからワクチン接種が始まっている。年齢や既往症で分類された9つの優先グループに属する約3200万人が、春までに1回目の接種を終える予定だ。

この9グループで、COVID-19による死亡リスクが高い人々の90~99%をカバーできるという。

マット・ハンコック保健相は先に、英オックスフォード大学とアストラゼネカが共同開発したワクチンが、症状を抑えるだけでなく、新型ウイルスの感染も抑制する可能性があるという研究結果を「非常に素晴らしい」と称賛した。

アストラゼネカはまた、変異株にも対応するワクチンを秋までに供給できると述べている。

サー・トムに感謝の拍手

ジョンソン首相は記者会見の中で、医療従事者などを支援するため巨額の寄付金を集めて有名となった故サー・トム・ムーア退役大尉(100)を追悼するため、午後6時に拍手するよう国民に求めた。

イギリスでは最初のロックダウンの際、医療従事者への感謝の印として拍手をするキャンペーンが行われていた。

大尉は新型コロナウイルスに感染し、先月31日から入院していたが、2日に亡くなった。ムーア大尉の死が報じられると、首相官邸では弔意の半旗が掲げられた。エリザベス英女王も、ムーア大尉が「全国民と世界中の人たちを励ましてくれた」と哀悼の意を表明した。

大尉は昨年4月、英東部ベッドフォードシャーの自宅の庭を100往復して寄付金を募り、話題となった。150万人以上の賛同者から計3279万4701ポンド(約47億1600万円)が寄せられた。

(英語記事 UK 'past peak' but Covid infections still 'high'