2021年02月06日 12:08 公開

ロシア政府は5日、野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求めるデモに参加したとして、ドイツとスウェーデン、ポーランドの外交官3人を追放した。

ロシア外務省は、3人が1月23日に「違法の抗議」に参加したと説明している。

これに対し、外交官の出身国に加え、イギリスやフランス、欧州連合(EU)が反発している。

ウラジーミル・プーチン大統領を批判しているナワリヌイ氏は、今年1月にロシアに帰国した際に拘束された。同氏は昨年8月、致死性の高い神経剤で襲われ、ドイツで治療を受けていた。

ナワリヌイ氏は2014年に横領罪で有罪となり、執行猶予つきの禁錮刑の判決を受けた。その際、警察への定期的な報告が義務付けられていたが、当局はこれに違反したために拘束したと説明。1月23日と31日には、勾留中のナワリヌイ氏の釈放を求め、ロシア各地で大規模なデモが開かれ、数千人が逮捕された。

2月に入り、裁判所はナワリヌイ氏の執行猶予を取り消し、実刑に切り替える判断を下した。同氏は現在、刑務所に収監されている。

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ドイツは外交官追放について「正当化できるものではない」と批判し、ロシアが決定を再考しなければ「対応しないわけにはいかない」と述べた。

スウェーデンは、1月23日のデモに外交官が参加した証拠はないと指摘。相当の対応をすると話した。

ポーランドはロシアの決定は「2国間関係の危機をさらに深めることになる」と述べた。

ドイツとポーランドは共に、自国のロシア大使を召喚して懸念を伝えるとしている。

EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表も、「ロシアの決定を強く非難すると共に、外交官の行いが職務と矛盾するとの見解を否定する」と話した。

ボレル氏はこの発表の数時間前に、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相と会談したばかりだった。

これに対しラブロフ外相は、ナワリヌイ氏をめぐる欧州からの制裁は違法だと述べた。


<解説>サラ・レインズフォード・モスクワ特派員

ロシアはいつでも欧州の外交官を追放できたはずだ。外交官らがナワリヌイ氏釈放を求めるデモに参加したとされているのは、2週間前の出来事だ。しかし外務省は発表のタイミングを、ボレル代表がモスクワに来ている時に合わせてきた。

このタイミングには明らかに意図があった。「人権や自由についてそちらが説教するのは勝手だが、我々はやりたいようにやるし、どう思われても構わない」と、そういうメッセージなのだろう。ロシア外務省は、デモ参加者の大量逮捕に対する批判についても、反論を用意していた。アメリカや欧州で発生した警察の暴力事件の動画を出してきたのだ。

ロシアのラヴロフ外相は、こうしたやりとりに慣れている。2014年にロシアが一方的にウクライナ南部のクリミア半島を併合し、各国が制裁に動いた時も、冷淡で反抗的な態度だった。国際的な圧力ではロシアの素行は変えられなかった。「ナワリヌイ氏をめぐる問題」についても、同じように対処する心積もりだ。


(英語記事 Russia expels diplomats over Navalny protests