2021年02月06日 14:21 公開

軍事クーデターが起きたミャンマーで5日、ツイッターとインスタグラムが遮断された。ミャンマー国軍はすでに、国民の多くが情報源としているフェイスブックを「安定」のために遮断している。

同国通信大手のテレノア・ミャンマーは、「次の通達があるまで」ツイッターとインスタグラムを遮断するよう命令されていると認めた。

国軍は1日、アウンサンスーチー国家顧問(75)率いる与党・国民民主連盟(NLD)が得票率80%以上で大勝した昨年11月の総選挙で、不正行為があったと主張。アウンサンスーチー氏やウィン・ミン大統領は拘束され、権力の座を追われ、3日には訴追された。

これに対し、国民の間では市民的不服従の活動が広まっている。

拘束されたアウンサンスーチー国家顧問(75)の弁護士によると、同氏は現在、首都ネピドーの自宅に軟禁されている。アウンサンスーチー氏は、無線機を違法に輸入し使用していた疑いがもたれている。

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ミャンマーでは国民の多くがフェイスブックを情報源としており、クーデターの様子もフェイスブックを通じて知った人が多かった。しかし4日、プロバイダー各社は政情安定化のためにフェイスブックへのアクセスを遮断するよう命じられた。

これを受けて、市民はツイッターやインスタグラムへ移行。ハッシュタグなどを使ってクーデターに反対の意を示した。5日午後10時には、これらのプラットフォームへのアクセスも遮断された。

軍部からの正式な発表はないが、AFP通信は、未確認の軍の書類にこれらのソーシャルメディアが「大衆の誤解に繋がっている」と書かれていると報じた。

テレノア・ミャンマーの親会社のノルウェーのテレノアは、ソーシャルメディアを遮断する動きを「深く懸念している」と発表。「命令の必要性や妥当性について反論し(中略)国際的な人権法と矛盾していることを協調した」と述べた。

ロイター通信によると、ツイッターの広報担当者は「公共の場での会話や、人々が声をあげる場」を損なっていると述べた。

インスタグラムを傘下に置くフェイスブックはミャンマー当局に対し、「接続を回復させ(中略)人々が家族や友人と交流し、重要な情報を得られるように」してほしいと求めた。

騒音やフラッシュモブで抗議

クーデター発生以降、ミャンマーでは大きな動きがないが、最大都市ヤンゴンなど一部の都市では市民が毎晩、鍋などをたたいたり、革命歌を歌ったりして抗議している。

また、日中にはフラッシュモブによる抗議も行われている。

最大都市ヤンゴンでは5日、数百人の教師や生徒が3本指を立てた敬礼で軍事政権に抗議した。この敬礼は映画「ハンガーゲーム」にちなんだもので、ミャンマーのほかタイなどでも体制への抗議として使われている。

ヤンゴンで取材するBBCのニェイン・チャン記者は、ミャンマーの国民は国軍の暴力的な抑圧方法についてよく知っているため、現時点では大規模な抗議集会などは開かれていないと説明。一方で、国民が事態を把握し理解できるようになるだけの時間が経過したことから、多くの人が別の方法で反発し、自分たちの声を届ける方法を見つけつつあるという。

クーデターは、昨年11月の総選挙の結果を受け、新しい議会が始まるタイミングで行われた。

国軍はこの総選挙で不正行為があったと主張しているが、選挙管理委員会は疑惑を裏付ける証拠は出ていないと述べている。

軍部はクーデター後、1年間の国家非常事態を宣言。クーデターを率いたミンアウンフライン国軍総司令官が実権を握った。

クーデターを受け、世界各国がミャンマー軍を非難している。ジョー・バイデン米大統領は4日の外交演説で、「ミャンマー軍は奪い取った権力を放棄し、拘束した活動家や政府高官を解放し、通信制限を中止し、暴力を控えるべきだ」と述べた。

しかしBBCのジョナサン・ヘッド東南アジア特派員によると、ミャンマー軍は国際的な圧力をものともせず、新たな閣僚を任命するなど権力掌握を進めている。

国連の安全保障理事会は当初、クーデターを非難する声明について各国と調整していたが、常任理事国の中国がクーデターを非難するような文言を拒絶したため、まとまらなかった。同理事会はその後、ミャンマーの状況について「深い懸念」を示す報道声明を発表。「民主主義的組織や手続きを尊重し、暴力を控え、人権や基本的自由、法の統治を完全に尊重する必要があると強調する」とし、アウンサンスーチー氏の解放を求めた。

(英語記事 Myanmar coup leaders block Twitter and Instagram