2021年02月07日 12:08 公開

英オックスフォード/アストラゼネカの新型コロナウイルス・ワクチンについて開発チームは5日、従来株に対する効果と同じくらい、英イングランド・ケント州で特定された変異株にも有効だと発表した。

オックスフォード大学の研究チームが志願者から採取した検体をもとに調べたところ、ケント州で特定された「B.1.1.7」系統の変異株に対して、従来株と同じくらいワクチンは有効だった。ただし、他の系統の変異については有効性がまだ分かっていない。

ただしオックスフォード大学の研究チームは、ワクチンの改良は容易で、必要となれば今年秋には改良ワクチンを提供できると話している。

ワクチン開発の専門家によると、ウイルスの変異はよくある現象で、これに対応するようワクチンを改良するのは比較的簡単な作業だという。

ファイザー/ビオンテックやモデルナのワクチンの開発担当者たちも、自分たちのワクチンは「B.1.1.7」系統の変異株に有効だという調査結果が出ているとしている。

イギリスで現在、大規模接種事業に使われているワクチンはいずれも、1年以上前に流行した従来株について開発されたもの。すでに1000万人以上が少なくとも1回は接種を受けている状態で、オックスフォード/アストラゼネカのワクチンが大半の人を新型コロナウイルス感染から守っている様子がうかがえる。

オックスフォード大学の研究チームは、従来株への予防効果は84%で、ケント「B.1.1.7」系統の変異株への予防効果は74.6%だったという。これは、昨年10月から今年1月にかけてオックスフォード/アストラゼネカ・ワクチンの治験に参加した500人の検体を調べた結果。

英南東部ケント州で昨年9月に特定された変異株が、クリスマス前の感染急増につながり、複数の国でも確認されている。

英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)トップのジューン・レイン博士は、オックスフォード大学による今回の調査結果は「とても安心する」内容だと評価した。

感染症対策の専門医、ピーター・イングリッシュ医師は、「ワクチンが変異株についても病気を防ぐ、有効なものだと示す内容で、素晴らしい知らせだ」と歓迎した。

オックスフォード大学による別の調査結果と同様、今回の研究でも、オックスフォード/アストラゼネカのワクチンはCOVID-19の重症化や感染による死亡を防ぐだけでなく、周囲への伝播(でんぱ)も大きく減らす可能性があることが分かった。

オックスフォード大のワクチン治験チームを主導するサラ・ギルバート教授は、ワクチンを改良する必要性はあらかじめ分かっていたことだと説明する。

「コロナウイルスはインフルエンザウイルスほどは変異しないものの、パンデミックが続けば、主に広まるウイルスはやがて新しい変異株になるだろうと当初から予想していた。それに伴い、ワクチンの有効性を最高レベルで維持するにはスパイクたんぱく質を刷新した新しいワクチンが必要になることも、予想していた」

今後も新しい変異の出現を注視し、ワクチンに必要な改良を加えるためアストラゼネカと協力していく方針という。

(英語記事 Oxford-AZ vaccine 'effective against dominant UK variant'