2021年02月08日 11:49 公開

ジョー・バイデン米大統領は、イランの核開発について交渉再開する前提条件として、制裁を解除するつもりはないと述べた。7日放送された米CBSニュースのインタビューで話した。

バイデン氏は、イランが2015年の核合意を順守するまで、制裁は継続すると強調した。CBS番組「フェイス・ザ・ネイション」のインタビューでは、イランとの交渉再開のために経済制裁を停止するかという記者の質問に、バイデン氏は「ノー」と答えた。

一方で、7日のイラン国営テレビによると、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は、まずアメリカが最初にすべての経済制裁を解除することが、核合意順守の前提だと述べている。ハメネイ師は「相手が誠意を持って行動したと判断すれば、(核合意の)約束に戻る」として、「これはすべてのイラン当局者が合意した、不可逆な最終判断だ」と強調した。

2015年7月のイラン核合意は包括的共同作業計画(JCPOA)と呼ばれ、イランが核開発を制限することと引き換えに、国連とアメリカ、欧州連合(EU)がイランへの経済制裁を解除するという内容。アメリカはオバマ政権が参加したが、ドナルド・トランプ前米大統領は2018年5月に一方的に離脱した。これを受けてイランは、高濃縮ウランの国内備蓄禁止など、核合意の内容の一部について順守を停止した

イランは自国の原子力開発の目的はあくまでも平和的なものだと主張する一方、濃縮ウランの備蓄量を増やしてきた。濃縮ウランは原子力発電の燃料に使われるほか、高濃縮ウランは核兵器にも使われる。核合意では、原子炉燃料だけでなく核兵器にも使用される濃縮ウランについて、イラン国内での濃縮度を3.67%までに留めることで合意した。

しかし、イランは2019年7月には濃縮度3.67%の制限をやぶり、今年1月には核合意を大幅に逸脱する濃縮度20%のウランを製造し始めたと発表した。核兵器には濃縮度90%の高濃縮ウランが使われる。

中国とは「厳しい競争」

CBSのノラ・オドネル記者はバイデン大統領にさらに、中国との関係について尋ね、大統領就任以降まだ習近平国家主席と会談していない理由を質問した。

バイデン氏はオバマ政権の副大統領だった当時、たびたび習主席と会談した経験から、相手のことをよく承知していると述べ、「とても頭脳明晰で、とてもタフだ」と評価。さらに、「民主主義的な要素はかけらもない。これは批判ではなく、単なる現実だ」と付け加えた。

その上でバイデン氏は、「(米中が)対立する必要はないが、厳しい競争にはなる。ただし、向こうも合図を送ってきているが、従来のやり方では対応しない。トランプのような形でもやらない。国際的なルールを重視していく」と述べた。

(英語記事 Iran nuclear deal: US sanctions will not be lifted for talks, says Biden