2021年02月11日 20:51 公開

東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の会長で元首相の森喜朗氏が11日までに、組織委会長を辞任する意向を固めた。女性について「不適切」と本人も認めた発言をめぐり国内外で批判されたことを受け、12日にも組織委の緊急会合で発表する見通し。

森会長は今月3日の日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」などと発言した。

これが国内外で厳しく批判されたため、4日の記者会見で謝罪し、発言を撤回したが、辞任は否定していた。

しかしその後、辞任要求の圧力は高まり続け、11日の時点で辞意表明の意向と報道された。報道によると、後任を初代Jリーグチェアマンの川淵三郎氏に打診し、川淵氏も引き受ける意向を示したという。

森氏の発言については東京五輪のスポンサー企業からも批判が相次ぎ、スポンサーに名を連ねるトヨタ自動車は10日、「トヨタが大切にしてきた価値観と異なり、誠に遺憾だ」との豊田章男社長のコメントを発表していた。

9日には女性を中心に約20人の野党議員が、白い服装で衆院本会議や予算委員会などに出席した。白はアメリカなどで女性参政権運動の象徴とされる。この抗議には一部の男性議員も参加した。

また複数報道によると、森会長の発言以降、約500人の五輪ボランティアが参加を辞退している。

国際オリンピック委員会(IOC)は森会長が4日に謝罪した後、「IOCはこれでこの問題は終了と考えている」との立場を示していたものの、その後も批判の声が高まる中、9日には「森会長の発言はまったく不適切で、IOCが重視するものや2020年オリンピック・アジェンダの改革と矛盾する」とする声明を発表した

JOCの会長・副会長・理事は25人で、女性は5人。2019年には、女性理事の割合を40%にすることを目標にしていた。

森会長の問題発言はこれに関連して出たもので、「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげて言うと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」とも述べ、「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困ると言っておられた。だれが言ったとは言わないが」などと話していた。

さらに、「組織委員会に女性は7人くらいおりますが、みなさん、わきまえておられて」とも話した。この発言に反発し、ツイッターでは「わきまえない」とハッシュタグにしたり、自分のIDにつけ足す人が相次いだ。

森氏は2000年から2001年の首相在任中を含め、問題発言を繰り返してきたことで知られる

毎日新聞によると、今回の女性蔑視発言の後、「昨夜、女房にさんざん怒られた。『またあなた、大変なことを言ったのね。女性を敵にしてしまって、私はまたつらい思いをしなければならない』と言われてしまった。今朝は娘にも孫娘にもしかられた」のだと同紙記者に話したという。

(英語記事 Yoshiro Mori: Tokyo Olympics chief to step down over sexism row