2021年02月15日 11:39 公開

アメリカのジョー・バイデン大統領は13日、連邦議会の弾劾裁判でドナルド・トランプ前大統領に無罪評決が出たことを受け、「民主主義はもろい」とする声明を出した。一方、イギリスのボリス・ジョンソン首相は14日、「アメリカの民主主義は強い」と感想を述べた。

トランプ氏は1月の議会襲撃事件で反乱を扇動したとして、議会下院で弾劾訴追された。13日にあった上院の弾劾裁判の評決では、有罪を求める民主党側に共和党議員7人が同調したが、有罪57人、無罪43人で無罪となった。有罪とするには、3分の2以上の67人が必要だった。

この結果を受け、バイデン氏は声明を発表。「最終的な採決では有罪とならなかったが、訴追の本質部分については議論の余地がない」とした。

「自分たちの歴史におけるこの悲しい一章は、民主主義がもろいことを私たちに思い出させた。民主主義は常に守る必要があることも。私たちは警戒し続ける必要があることも。暴力と過激主義はアメリカでは認められないことも。そして、アメリカ人一人ひとりに、特に指導者らに、真実を守りうそを打破する義務と責任があることも」

バイデン氏は弾劾をめぐる動きとは距離を置き、弾劾裁判も生では見ていなかった。政権発足直後に予定していた課題に集中できなくなることを、側近らは懸念していたとされる。

<関連記事>

一方、トランプ氏は無罪評決を歓迎。弾劾裁判を「史上最大の魔女狩りにおける一局面」と批判した。

声明でトランプ氏は、「私たちの『アメリカを再び偉大な国にする』という歴史的で愛国主義的な美しい運動は始まったばかりだ」と主張。今後も政界で活動する意向を示唆した。

ジョンソン氏は別の見方

イギリスのジョンソン首相は14日、米CBSのインタビューで、トランプ氏の弾劾裁判の結果について感想を述べた。

「今回のアメリカの一連の手続きで明らかになったメッセージは、いろいろな動きや騒ぎはあったが、アメリカの民主主義は強力だということだと思う」

「それと、アメリカの憲法は強く頑丈だということだ」

ジョンソン氏はまた、自身とバイデン氏との関係を「すばらしい」と表現。

「私たちは、というか私は、ホワイトハウスといい関係をもててとてもうれしい。どのイギリス首相にとっても重要なことだ」と述べた。


<分析>トランプ氏は「無傷とはならなかった」――アンソニー・ザーカー北米担当記者

最も基本的なレベルで言えば、今回の結果はトランプ前大統領にとって勝利だ。その気になれば、2024年に再び大統領選に立候補することができる。支持層も大部分はしっかりしている。議会では上下両院の共和党議員のほとんどが弾劾に反対した。同一歩調を取らなかった共和党議員は厳しく批判されており、正式に処分される可能性もある。

ただ、トランプ氏はこの弾劾裁判を無傷で切り抜けたわけではない。トランプ支持者らが議会議事堂を襲った際の新たな映像が公開された。

そうした映像は今後永遠に、トランプ氏の「ブランド」と関連づけられるだろう。トランプ氏が将来開く集会はどれも、暴動を想起させるものとなる。共和党員らの支持を失うことにはならないかもしれないが、無党派層と穏健派はこの映像を強く記憶し続けるはずだ。


(英語記事 Democracy is fragile, warns Biden, as Trump clearedJohnson: US democracy strong after Trump 'kerfuffle'