2021年02月17日 11:41 公開

ミャンマー国軍によるクーデターで拘束されている、国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー国家顧問が16日、自然災害管理法違反の疑いで訴追された。何に関連した容疑なのかは不明。アウンサンスーチー氏はすでに無線機を違法に輸入し使用したなどとして訴追されており、同日にビデオ形式で裁判手続きに臨んだ。

ミャンマー国軍は先に、NLDが大勝した昨年11月の総選挙で不正行為があったとし、再び選挙を実施して勝者に権力を移譲すると約束。この日もその主張を繰り返した。

国軍は1日、国家の権力を掌握したとし、今後1年間にわたる国家非常事態を宣言した。同日早朝にはアウンサンスーチー氏らを拘束した。以来、国内では同氏ら選挙で選ばれた指導者の釈放を求めるデモが続いている。

最新の状況は

国軍の報道官ゾウミントゥン准将は16日、文民政権の転覆後初の軍の記者会見で、軍は長く政権にとどまることはないだろうとし、予定されている選挙で「勝利した政党に権力を移譲する」と誓った。一方で投票日については明言しなかった。

そして、昨年11月の総選挙で不正行為があったと、証拠を示さずに繰り返し主張した。

総選挙ではアウンサンスーチー氏率いるNLDが圧勝したが、国軍は不正行為があったとしてクーデターの正当性を訴えている。

イギリスとアメリカは、アウンサンスーチー氏が新たな容疑で訴追されたことを批判。ボリス・ジョンソン英首相は訴追は「でっち上げられたもの」であり、「彼女(アウンサンスーチー氏)の人権を明らかに侵害」していると述べた。米国務省の報道官は「気がかりな」動きだとした。

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アウンサンスーチー氏はどこに?

アウンサンスーチー氏は16日、首都ネピドーの裁判所にバーチャルで短時間出廷した。報道によると、同氏は法的処置と法定代理人に関する質問に答えたという。

次の出廷日は3月1日に設定された。

ゾウミントゥン准将は、アウンサンスーチー氏が自分の安全のために自宅にとどまっているとし、「快適に健康に」過ごしていると説明した。

また、クーデターに反対するデモ隊による治安部隊への暴力行為や脅迫行為を非難した。

警官1人が「無法行為」を受けて負傷し、その後死亡したとゾウミントゥン氏は述べた。

抗議活動への弾圧は

抗議者と治安部隊は衝突を繰り返しており、最近では警察が催涙ガスやゴム弾を使って抗議者を追い払ったとの報告が上がっている。

9日に頭を撃たれた抗議者1人は現在も重体のままだ。

ミャトゥエトゥエカインさん(19)は抗議活動に参加していた際に負傷したが、何が当たったのかは不明だ。複数の人権団体は、負傷は実弾によるものだと主張している。

ゾウミントゥン准将は、警官にれんがを投げつける抗議者を制御するため、複数の対策を講じたと説明した。

軍は15日にウェブサイト上で、治安部隊の任務を妨害した場合には20年の、公共の不安をあおった場合には3~7年の禁錮刑がそれぞれ科されると発表した。

これについて国連は、現在進行中の反クーデター抗議活動を残忍に弾圧すれば「深刻な結果」をもたらすことになると、ミャンマー国軍に警告した。

国軍は16日未明に2夜連続でインターネットを遮断したが、16日朝には復旧した。

クーデター開始以降、国軍は反対意見を抑圧するためにウェブを定期的に遮断している。

13日には、市民の安全などを保護する法律の一部を停止。裁判所の令状なしで24時間超の拘束や私有地の捜索が可能になった。

また、報道関係者に対し、軍による実権掌握を「クーデター」と呼ばないよう求めている。

抗議の規模は

抗議者たちは16日にもヤンゴンやマンダレーなど複数の都市で抗議集会を行った。BBCビルマ語によると、ヤンゴンでは僧侶たちが路上に集まり、大半の抗議は平和的に行われたという。

さらなる政情不安を恐れた人々が現金を引き出そうと銀行に押し寄せ、大行列ができたとBBCのジョナサン・ヘッド記者は伝えた。

医療従事者が病院を離れているため、新型コロナウイルスの感染症COVID-19の検査も破綻状態にある。

ヤンゴン郊外では線路上に抗議者たちが居座り、鉄道サービスを妨げようとしているのが写真で確認できる。この影響で、ヤンゴンと南部モーラミャインを結ぶ鉄道サービスが停止したと、ロイター通信は報じた。

先週は数万人が抗議していたが、国軍が警備を強化する中、直近の抗議では参加者が減っているようだ。

暴力的な衝突が起きているとの報告を受け、一部の都市の住民が夜間の見張りグループを結成。混乱を引き起こすために軍が派遣したとうわさされる暴徒を阻止しようとしている。

(英語記事 Myanmar's Suu Kyi faces new charge amid protests