2021年02月17日 14:33 公開

米ニューヨーク・マンハッタン地区検事局は16日、セントラルパークでバードウォッチングをしていた黒人男性を通報し、虚偽通報の罪に問われていた白人女性について、起訴を取り下げた。

エイミー・クーパー氏は昨年5月、公園内でクリスチャン・クーパー氏(エイミー氏とは無関係)から飼い犬にリードを付けるよう求められた際に、「アフリカ系アメリカ人に脅されている」などと警察に通報。この時に撮影された動画がソーシャルメディアなどで拡散され、人種差別的だとして大きな批判を浴びた。

エイミー氏はクリスチャン氏に謝罪したものの、勤務先から解雇され、虚偽通報で起訴された。

検察は今回、エイミー氏が人種的偏見を是正する治療プログラムを完了したため、起訴を取り下げると発表した。

この出来事は、黒人のジョージ・フロイド氏が白人警官に拘束され、死亡した事件と同日に起こった。フロイド氏の事件をきっかけに、人種差別反対デモが世界各地で数週間にわたって行われた。

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エイミー氏は5月25日、セントラルパークを飼い犬にリードを付けずに歩いていたところ、クリスチャン氏から声をかけられた。この時2人がいたのは、犬に常にリードをつけるよう規制された「ランブル」と呼ばれるエリア内だった。

クリスチャン氏は、「お嬢さん、ランブル内では常に犬をリードでつないでおかないといけませんよ。すぐそこにサインがあるでしょう」と伝えたが、エイミー被告は拒否。クリスチャン氏が動画の撮影を始めた。

フェイスブックに投稿された動画には、エイミー氏がクリスチャン氏に対し、「アフリカ系アメリカ人の男が私の命を脅かしている」と警察に通報すると伝える様子や、実際に通報した際に、「男はアフリカ系アメリカ人だ」、「私と犬を脅している」、「すぐに警官を出動させてください!」と訴える様子が映っている。

検察は、エイミー氏が2回目の通報の際に繰り返し、クリスチャン氏が自分を暴行しようとしていると述べていたと説明している。

またサイラス・ヴァンス地方検事は事件直後、エイミー氏が「人種差別的な刑事犯罪を行った」と指摘。「エイミー氏のうそに警察が対応した結果、死傷者が出なかったことは幸運だった」と述べていた。

しかし16日の発表では、エイミー氏が5回にわたる教育的治療プログラムを完了したとして、起訴を取り下げたとした。

ジョアン・イルッツィ=オーボン地方検事補は、このプログラムは「内省と発展を促すもの」で、「人種的アイデンティティーが社会を形成していること、それを自他を傷つけるために使ってはいけないことをエイミー氏が受け入れられるよう」設計されたと説明した。

また、エイミー氏には前科がなかったことから、修復的司法に基づいてプログラムを履修させたと述べた。

エイミー氏の弁護人を務めるロバート・バーンズ氏はツイッターで、検察当局の判断への感謝を述べた一方、今回の事件を受けてエイミー氏の身に起こった出来事について法的措置に踏み切る可能性も示唆した。

https://twitter.com/barnes_law/status/1361690656066867201

クリスチャン氏はエイミー氏の起訴取り下げについて、コメントを発表していない。

(英語記事 Charge dropped over Central Park viral police call