また、大河ドラマの内容とは別であるが、付随した問題も多々ある。特に、大河ドラマが始まると、珍説、奇説の類がマスコミで盛んに取り上げられ、人々が飛びつくことである。これは、悲劇である。

 その一つ一つを書くことはしないが、マスコミにはいろいろと配慮をお願いしたいところだ。むろん、そうした説を取り上げるなとは言わない。慎重なマスコミの場合は、複数の識者に意見を求め、両論併記している。とはいえ、結局はおもしろいほうが勝ってしまうので、珍説、奇説が独り歩きしてしまう。

 同時に、行政の大河ドラマへの関わり方にも問題があるケースが散見する。承知の通り、大河ドラマが放映されると、観光客を呼び込むのに有利になる。それゆえ、行政がデタラメな説に飛びつくという、勇み足をしてしまう例も散見する。

 それにより観光客を呼び込もうとするのだが、本末転倒ではないだろうか。というのも、誤った説を信奉するような「〇〇顕彰会」の類が設立されることもあり、そこに所属する人は「それが真実だ」と思い込んでいるからだ。そういう活動を行政が後押しすることもあるので、誠に罪深い。大河ドラマは、実に影響が大きいのである。

 ちょっと苦言を呈したが、先に「大河ドラマ愛」に触れたように、頑張ってほしいと思っている。というのも、ご存じの通り時代劇は衰退の一途をたどっているからだ。もはや同じ曜日時間帯で長期にわたり連続して放映される時代劇は、大河ドラマしかない。
※写真はイメージ(ゲッティイメージズ)
※写真はイメージ(ゲッティイメージズ)
 亡くなった私の父は、時代劇が大好きだった。しかし、時代の流れとともに時代劇は姿を消し、悲しがっていた。

 そこで、私なり考えて、大河ドラマに以下5つの提案をしたい。

(1)主人公は常に正義の人であるというワンパターンはやめ、常に悩み苦しむ等身大の人物として描くこと

(2)主人公は平和主義というワンパターンはやめ、ときに残虐で狡猾な姿を見せること

(3)主人公は民衆思いで慕われていたというワンパターンはやめ、戦争の残酷さなどを真摯に描くこと

(4)家族愛、きょうだい愛、親子愛を強調するホームドラマをやめ、ときに親子、兄弟が殺しあうような悲惨な現実を描くこと

(5)コント仕立ての脚本はやめ、重厚長大な大河ドラマであってほしい

 むろん、これには異論があるだろう。しかし、ここ10年ほど大河ドラマを見てきた者としては、ぜひお願いしたいところである。