2021年02月19日 15:45 公開

米テキサス州で大勢が大寒波による停電被害に遭っている最中、同州選出のテッド・クルーズ上院議員(共和党)が家族とメキシコのリゾート地へ旅行したことが明らかになり、非難されている。本人は「良い父親」でいたかったと弁明している。

クルーズ議員が空港にいる写真が17日にツイッターで浮上し、寒波による電力需要急増が原因の大規模停電や断水が起きている最中に国外へ出たのかと批判の声が高まった。

テキサス州では18日までに4日連続で大規模停電が続いている。アメリカ国内ではこれまでに大寒波の影響で24人が死亡している。

テキサス州では時には氷点下に達する寒さに見舞われ、多くの建物で水道管が凍結し、破裂している。州政府は18日、700万人に対して、水道管や建物の破損で上水道に異物が紛れ込んだ恐れがあるため、飲む前には煮沸するよう呼びかけた。

加えてグレッグ・アボット州知事は、水道管凍結が原因で民家や医療機関への水圧が減少しているとして、水圧を維持する手段として、民家で水道の元栓を閉めておくよう呼びかけた。

娘たちに頼まれて

こうした状況で、クルーズ上院議員はメキシコ・カンクンに向かったものの、批判が噴出した後、18日には帰国。娘たちのために計画した家族旅行で、「良い父親」でいたかったと声明を発表した。学校が休校なので、「友だちと旅行に行きたい」と娘たちに頼まれて、応じたのだという。さらに、「明らかにミスだった。後から振り返れば、行くべきではなかった」と記者団に述べた

連邦議会の上院議員として、クルーズ氏はテキサス州の停電・断水対策に直接的にかかわるわけではないが、自然災害などの際に住民が政治家に助けを求めるのは珍しいことではない。

ワシントン州選出のプラミラ・ジャヤパル下院議員(民主党)は、「テキサスの人たちは文字通り凍死しつつあるのに、テッド・クルーズはカンクンのバカンスに出かけた」とツイートした。

ヒューストン警察はCBSニュースに、クルーズ議員のスタッフが17日に警察に連絡をとり、議員が国際空港へ向かうため警備の支援を要請したと明らかにした。空港に到着した議員が「ターミナル内を移動する様子を警官たちがモニターしていた」という。

これについて、左派活動家のシャーロット・クライマー氏はツイッターで、「テッド・クルーズは、数百万ものテキサス住民が暖房と水がなく危険にさらされる中、州から逃げただけでなく、バカンス・フライトに乗るため素早く警備や混雑をすり抜けられるよう、特別に警察対応を要請した」と批判した。

大統領選に意欲

ジャーナリストのデイヴィッド・シュースター氏は出発の機内にいる議員の写真と共に、「電気と水がないままで文字通り凍えているテキサスの仲間数百万人のため、自分は特にテキサスですることは何もないと思ったようだ」とツイートした。

2016年大統領選に共和党から出馬し、予備選でドナルド・トランプ前大統領に敗れたクルーズ氏は、2020年大統領選は不正だったと主張し、今年1月6日に連邦議会で行われた結果認定でも、ジョー・バイデン大統領の勝利を認めなかった。2024年の大統領選で、あらためて出馬する意向だろうとみられている。上院議員としての任期は2025年に満了する。

今回の件が、大統領選に向けて失点となるのではないかとの見方もあるが、保守派の間ではクルーズ議員を擁護する声も上がっている。右派活動家のブリジット・ゲイブリエル氏は、「テッド・クルーズ上院議員ほど一生懸命働く人はこの国にそうはいない。休暇をとる資格がある」、「(クルーズ氏は)連邦議員なのだから、送電網について何もできない」、「謝る必要など何もない!」と連続ツイートしている。

(英語記事 Texas Senator Ted Cruz flew to Mexico amid state energy crisis