2021年02月22日 13:47 公開

1965年に暗殺された黒人公民権運動活動家マルコムX氏の娘たちが20日、暗殺に至った経緯について再捜査するよう求めた。マルコムX氏をめぐっては、ニューヨーク市警と米連邦捜査局(FBI)が共謀して殺害したとする新たな証拠が浮上している。

マルコムX氏の娘たちが新証拠として指摘しているのが、ニューヨーク市警の元警察官で去年11月に亡くなったレイモンド・ウッド氏が遺族に残した手紙だ。その手紙には、暗殺の数日前にマルコムX氏の警備チームを逮捕して警備を手薄にすることが、ウッド氏の役割だったと書かれてあった。

マルコムX氏殺害をめぐっては3人の男が有罪となった。全員が政治・宗教運動組織「ネーション・オブ・イスラム」のメンバーで、それぞれ終身刑が言い渡された。1人はその後死亡し、2人は仮釈放された。

マルコムX氏はかつて「ネーション・オブ・イスラム」の代表的存在と考えられていたが、その後同組織を離れ、黒人分離主義という戦闘的なメッセージを軟化させていた。

しかし同氏は黒人の団結や自尊心、自立を熱烈に訴え続けた。

ニューヨークのマンハッタン地区検事局は2020年、マルコムX氏殺害をめぐる有罪判決について見直しを開始した。これは、不当に有罪判決を受けた人の正義を求める非営利組織「イノセント・プロジェクト」との面会を受けてのもの。

ウッド氏の手紙の内容

マルコムX氏の暗殺事件は、1965年2月21日、アッパー・マンハッタンのハーレムにあるオーデュボン・ボールルームで起きた。ニューヨーク市警の元警察官ウッド氏の遺族と弁護人によると、同氏が残した手紙には、ニューヨーク市警とFBIがその暗殺事件の詳細を隠ぺいしたと書かれている。

ウッド氏は、マルコムX氏が演説する予定の建物で、出入り口に警備が敷かれないようにする任務を与えられていたと主張している。

ウッド氏の遺族は20日の記者会見で、同氏がいつどのように亡くなったのか詳細は述べなかった。

しかし、ウッド氏が当局からの反発を恐れ、自分が死ぬまで手紙を公にしないよう望んでいたと明かした。

「あの恐ろしい悲劇の背後にある真実をより深く知ることができる証拠があるなら、徹底的に捜査が行われるべきだ」と、マルコムX氏の娘の1人、イリヤサ・シャバズ氏は述べた。

ニューヨーク市警とFBIの反応は

ニューヨーク市警は声明で、「数カ月前にマンハッタン地区検事長が、マルコムX殺害事件における2件の有罪判決につながった捜査と起訴の見直しを開始した」と述べた。

「ニューヨーク市警は地区検事長に対し、その事件に関する全ての利用可能な記録を提供している。この見直しには全面的に協力し続ける」

一方、FBIはこれまでのところ公的なコメントは出していない。

(英語記事 Malcolm X's family seeks to reopen murder inquiry