2021年02月24日 11:57 公開

アメリカのドナルド・トランプ前大統領の支持者による連邦議会議事堂襲撃について、発生当時の議会警備当局者4人が23日、上院の公聴会で証言し、注意喚起の情報が生かされなかったことが事件が起きた一因だと主張した。

米上院の国土安全保障・政府活動委員会の公聴会で、警備当局者は暴徒が武器や無線機、登山用具を所持し、「戦争の準備をしてやって来た」と述べた。

議会警察(USCP)の前長官スティーヴン・サンド氏は、当時自分は「軍事的な組織的攻撃」ではなく抗議行動に対処するための準備をしていたと説明した。

この襲撃では警官1人を含む5人が死亡した。公聴会に臨んだ4人のうち3人は、事件後に辞任した。

首都警察のロバート・コンティ本部長代行は、国防総省が暴動鎮圧のために州兵を派遣するまでにかかった時間に「唖然(あぜん)とした」と述べた。

下院は先月13日、「反乱を扇動」したとしてトランプ氏を弾劾訴追する決議案を可決した。現職大統領が2度の弾劾訴追を受けたのは初めて。今月13日には上院が無罪評決を下した

<関連記事>

警備当局者の主張

当局者3人は、襲撃には計画性があったと証言。法執行機関の注意を議事堂からそらすため、警備境界線の端にパイプ爆弾が置かれたようだと、サンド氏は述べた。

「集団は警備境界線に到達すると、私が今まで見てきたいかなる抗議集団とも異なる動きを見せた」と、キャリア30年のベテランである同氏は述べた。

「複数の連邦機関の間で、正確で完全な情報が明らかに欠如しており、これが事件の一因となった。議会警察の計画が不十分だったから起きたのではない」

議会警察のカーニーシャ・メンドーサ氏は、事件で化学物質を使った攻撃を受けて顔にやけどを負い、いまだ完治していないと述べた。

「19年近い警察官人生で起きた数々の出来事の中で、この事件ははるかに最悪中の最悪だった」

「実際の10倍の人数で対処していたとしても、壊滅的な事態になっていたと思う」

当局者たちはさらに、抗議者たちが「戦争」の準備をしていると警告する連邦捜査局(FBI)の報告が、襲撃前夜に警備当局者の元に届いていなかったと証言した。

軍の派遣を躊躇か

警備体制をめぐっては、当局が悪評を買うことを懸念して、議事堂に軍を派遣したがらなかったとする報道が複数ある。しかし、下院警備局長だったポール・アーヴィング氏は、「警備に関する私の決定に世論が影響を与えた事実はない」と述べた。

アーヴィング氏の主張は、同氏が議事堂に「州兵を配備することに対する『世論』を懸念していると述べた」とするサンド氏の証言と食い違っている。

上院警備局長だったマイケル・ステンガー氏は、「我々は全員、与えられていた情報が」軍を召集する必要性を「示していなかったと考えている」と述べた。

サンド氏は、警察には大規模集団を撃退するのに必要な装備がなされていなかったと付け加えた。

来週には、国防総省職員が公聴会で州兵の配備について証言する予定。

上院議員はこうした公聴会が、フェンスを永久的に設置するなどの新たなセキュリティ対策の決定に役立つだろうとしている。

(英語記事 Capitol rioters 'came prepared for war'