2021年02月24日 14:44 公開

国際航空運送協会(IATA)は、新型コロナウイルス対策としてデジタル仕様のトラベルパスの発行を予定しており、「数週間以内に」準備が整う見込みだとしている。

このパスは、携帯電話などのアプリになっている。パスを保有している旅客について、入国に必要な新型ウイルス検査やワクチン接種を正式な機関で済ませたことを証明する。

多くの国が今なお厳しい入国規制や隔離措置を続ける中、IATAは空の旅行の再開に、このパスが重要な役割を果たすとしている。

「大事なのは自信だ。乗客らは、受けた検査が正確で、渡航先の国に入国できることに自信をもてることが必要だ」と、IATAの担当者は話した。

「各国政府も、乗客らが受けたとしている検査は正確で、条件を満たすものだと確信できなくてはならない」

航空会社が実証実験

IATAはトラベルパスについて、世界各地で実証実験中の他のアプリなどと連動できるように設計されているとした。

iOSとアンドロイドで利用でき、無料で提供する予定だという。

シンガポール航空は昨年12月に世界で初めて、このパスの実証実験を始めた。

アラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空とエミレーツ航空、カタール航空、ニュージーランド航空なども現在、実験を進めている。IATAは、アジア太平洋地域の多くの航空会社と協議中だとしている。

IATAは「3月に使用開始の予定だ」、「基本的に、今後数週間でシステムが完全に機能することを見込んでいる」とした。

書類かアプリか

このアプリに似た書類に、世界保健機関(WHO)が発行する「イエローカード」がある。保有者について、ワクチン接種を受けたことを証明するものだ。いくつかの国が入国者に義務付けている、黄熱病のワクチン接種の証明に使われることが多い。

IATAは、書類だと偽造リスクが大き過ぎるとしている。

欧州刑事警察機構(ユーロポール)は最近、フランスの偽造グループがシャルル・ド・ゴール空港で偽の陰性の検査結果を販売していたと発表。イギリスでも同様の偽造事件で逮捕者が出たとした。

マレーシアの警察も最近、陰性結果の証明を偽造した疑いでパキスタン人6人を逮捕したと報じられている。

だが、国によっては書類での証明が必要で、そのことがIATAのアプリの普及の障害になっている。

IATAは「韓国で書類による証明が必要とされており、デジタル証明が受け入れられるよう、同国政府と協議している」とした。

隔離なしの旅行に必要

航空業界は、隔離措置なしの旅行が今年中に再開されることを期待している。ただ、今回のアプリを使っても、再開に向けた歩みはゆっくりとしたものになると予想している。

IATAによると、新型ウイルスによって航空業界は多大な影響を被っている。2020年の需要は前年比で70%近く落ち込んでいる。

今年は回復を期待しているが、ワクチン接種によって問題がすぐに解決される可能性は低い。そのため、IATAはトラベルパスが必要だとしている。

「(ワクチン接種は)時間がかかりすぎる。少なくとも1年から2年はかかる。しかも、ワクチンの世界的な入手可能性に大きく左右される」とIATAのアジア太平洋地域の担当者は話す。

「そのため、検査とワクチン接種の組み合わせが、国境を再び開くことへの長期的な方策だと考えている」

(英語記事 Airlines' Covid travel pass ready 'within weeks'