小澤美佳(株式会社ニット広報/オンラインファシリテーター)

 今年に入り2回目の緊急事態宣言が発令されました。昨年の1回目より「テレワーク」という働き方が、ある程度定着している企業も多いと思います。新たな働き方が始まった中で皆さんは、「テレワークうつ」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

 パーソル総合研究所のアンケートでは、テレワークを認める企業(原則テレワークもしくはテレワーク推奨と、希望に応じてテレワーク可との合計)は緊急事態宣言が発令された場合は71・1%、新型コロナ感染リスクがある場合は60・1%、コロナ終息後の場合は44・8%となっています。

 このアンケートからも、今後テレワークという働き方が企業のキーポイントとなることが分かります。しかし、テレワークといっても万全ではなく、セルフコントロールをしないと「テレワークうつ」よりさらに怖い「サイレントうつ」になることがあります。今回はその原因と予防策についてご紹介します。

 テレワークという働き方には「場所や時間に縛られず働ける」だったり、「通期時間がないので、ストレスが減る」などさまざまなメリットがあります。

 しかし、それと同時にテレワークならではのデメリットも存在します。あるアンケートでは「リモートワーク前と後での健康面の変化はありましたか」という質問に対し、52・2%の方が「悪くなった」と答えていました。

 このアンケートでは主に運動など身体面にフォーカスされていますが、今回皆さんには、先に触れた「サイレントうつ」に注目していただきたいと思います。オフィスとは異なり、この病気は自宅という周囲に人が少ない状態のテレワークによって起こります。そのため周囲の人や自分自身でもなかなか気付きにくい病なのです。
パーソル総合研究所が発表したテレワークを認めるとの企業の回答割合
パーソル総合研究所が発表したテレワークを認める企業の回答割合
 人によっては「在宅勤務をすることで、逆に長時間勤務になった」というケースや、「誰ともコミュニケーションをとらず、孤独感を感じている」などの問題も起きています。さらに「新型コロナウイルスを過敏に意識することによるストレス」や、「突然のニューノーマルへの移行によって心がついてこない」などの心理的負担や環境の変化が「サイレントうつ」を引き起こします。

 厚生労働省の平成29年の労働安全衛生調査によると、情報通信業や金融業のうつ発症リスクは全社平均の3倍と非常に高くなっています。もちろん一概には言えませんが、コロナ禍前でさえこうした結果なのですから、IT系の企業はパソコンに向かう時間が長かったり、金融系などは心理的な重圧ゆえに、他業種以上にストレスフルな環境にある証拠かもしれません。