2021年02月26日 11:44 公開

ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が、これまで収監されていたモスクワ市内の拘置所から別の場所に移送された。ナワリヌイ氏の側近が25日に明らかにした。行き先はわかっていない。

側近によると、ナワリヌイ氏が拘置所から刑務所に移送された可能性がある。同氏の支持者への事前通知はなかったという。

ナワリヌイ氏をめぐっては、モスクワの裁判所が2日に同氏の過去の有罪判決の執行猶予を取り消し、禁錮3年6カ月の刑の執行を決定していた。

欧州連合(EU)加盟国の首脳らは25日、ナワリヌイ氏の処遇を非難し、即時釈放を求めた。

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ウラジーミル・プーチン大統領を激しく批判しているナワリヌイ氏は、今年1月にロシアに帰国した際に拘束された。同氏は昨年8月、致死性の高い神経剤で襲われ、ドイツで治療を受けていた。

ナワリヌイ氏は2014年に横領罪で有罪となり、執行猶予つきの禁錮刑の判決を受けた。その際、警察への定期的な報告が義務付けられたが、裁判所は同氏がこれに違反したと判断した。

同氏に対する有罪判決は政治的動機によるものだと広く受け止められた。

ナワリヌイ氏は今どこに?

ナワリヌイ氏の弁護士を務めるヴァディム・コブゼフ氏は、ナワリヌイ氏と面会するために拘置所を訪ねたが、同氏はもうここにはいないとだけ言われたという。

どの施設へ移送されたのかは教えてもらえなかったと、コブゼフ氏は述べた。

拘束されている人たちの人権を監視する、モスクワの公共委員会メンバーのエヴァ・メルカチェワ氏はAFP通信に対し、ナワリヌイ氏が流刑地に送られたと確信していると語った。

「他に選択肢はない」とメルカチェワ氏は述べ、ナワリヌイ氏は首都モスクワから遠くない場所にある刑務所で服役すべきだと付け加えた。

こうした中、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルがナワリヌイ氏について、過去の外国人嫌悪的発言を理由に「良心の囚人」(良心に基づく信念、信仰や人種、性的指向などを理由に、不当に拘束されている人たちのこと)の認定を解除。それをめぐって騒動が起きた。

ドッキリを仕掛けることで知られるロシアのヴォヴァン氏とレクサス氏は、アムネスティのジュリー・ヴァハール事務局長代理ら3人との14分間のビデオ通話の録画を公開

ナワリヌイ氏の右腕を務めるレオニード・ヴォルコフ氏になりすまし、アムネスティの対応が「多くの損害を与えた」と同団体に認めさせたとした。

ヴォルコフ氏本人はこれについて、「正直に言うと、こんなこと言いたくはないが、私としては、アムネスティのリーダーシップは不適格であると、このZoom電話だけで十分認定できる」とツイートした。

昨年12月には、ナワリヌイ氏自身がロシアの安全保障当局者になりすまして連邦保安局(FSB)工作員に電話をかけ、神経剤ノビチョクを使った自身に対する攻撃の詳細を聞き出したと報じられた。

(英語記事 Jailed Putin critic 'moved out of Moscow prison'