2021年02月26日 12:08 公開

米国防総省は25日、米軍がシリア東部で親イラン武装勢力の施設を空爆をしたと発表した。イラク国内のアメリカや連合軍施設への攻撃に対抗するものだという。バイデン政権初の武力攻撃となった。

国防総省によると、米軍は「イランが支援する武装勢力が使用する国境検問所の複数施設」を破壊した。イランが支援する「カタイブ・ヒズボラ」と「カタイブ・サイード・アル・シュハダ」の2つの戦闘団を標的にしたという。

ジョー・バイデン米大統領は、イラク国内の米軍と連合軍の関連施設が最近攻撃されたことを受けて、今回の空爆を承認したという。

国防総省は今回の空爆について、連合諸国との協議を含む「外交手段」と合わせて実施した「相応の軍事的対応」で、「あいまいなところのない明確なメッセージ」を発するものだったと説明。「バイデン大統領はアメリカと連合国の人員を守るために行動する。同時に、シリア東部とイラクの全体状況を鎮静化させるための、慎重な行動」だと述べた。

米政府は今回の攻撃による死傷者を発表していない。しかし、イギリスを拠点にする民間団体「シリア人権監視団」によると、少なくとも17人の親イラン戦闘員が死亡したという。

シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラフマン氏はAFP通信に対し、「武器を積んだトラック3台が破壊され、大勢が死傷した」と話した。

カタイブ・ヒズボラは今月の米軍施設への攻撃について、関与を否定している。しかし、ロイド・オースティン米国防長官は記者団に、「我々が追跡した標的に自信がある」と述べ、「自分たちが何を攻撃したか把握している。これは(2月15日の)攻撃でイスラム教シーア派の武装勢力が使ったものだと、自信を抱いている」と話した。

イラク北部アルビルでは今月15日、米軍主導の連合軍が駐留する基地の近くにロケット弾による攻撃があり、民間業者が1人死亡したほか、米兵1人と民間業者5人が負傷した。22日には、在イラク米大使館など各国の外交公館がある首都バグダッドの「グリーンゾーン」(旧米軍管理区域)に攻撃があった。

匿名の米政府筋はロイター通信に対して、親イラン戦闘団の攻撃には応えるというメッセージを伝えるのが今回の空爆の目的で、バイデン政権は紛争拡大を意図していないと話した。

(英語記事 Biden approves US airstrike on Iran-backed militias in Syria