2021年02月26日 13:16 公開

リモートワークは「新たな日常」などではなく「逸脱」だ――。米金融大手ゴールドマン・サックスのトップは24日、そう述べ、新型コロナウイルスの流行で広がった新しい働き方に否定的な考えを示した。

デイヴィッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は同日の社外会議で、ゴールドマン・サックスにおいては昨年、オフィスに「社員が10%もいない」状態で仕事が進められていたと説明。

その上で、在宅勤務は同社の企業文化に合うものではないという考えを示した。

「私たちのような企業、すなわち革新的で協調的な徒弟制度文化では(リモート勤務は)理想的ではない。新たな日常でもない。できる限り早急に正すべき逸脱だ」

社員がオフィスに戻ることを強く望むソロモン氏の考えは、在宅勤務が常態化しそうだという多くの企業の姿勢と異なっている。

ゴールドマン・サックスの都市計画部門で働くトムさん(35)は、在宅勤務になって子どもと関わる時間が増えたのを楽しんでいると、BBCに話す。

オフィス勤務には戻りたくないが、「役員ら古い世代には理解や協力が欠けている」と不満を漏らしたこの男性は、出勤が週2日程度で済む別の仕事を探しているという。

「仕事の仕方は変わらない」

この日の会議では、ソロモン氏は近く入社する約3000人の新入社員について、先輩社員らから「直々の指導」を受けられなくなることが特に気がかりだと述べた。

「今年もまた今期の新人が夏になって、リモート状態でゴールドマン・サックスに入社するなど、そんな状態はなんとしても避けたい」

ソロモン氏は、新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)がデジタルテクノロジーの導入を後押しし、ゴールドマン・サックスの経営も効率化された面はあると認めた。だが、長期的にはそれが大きな変化へとつながることはないとの見方を示した。

「パンデミックを抜け出そうという中で、私たちのような企業の仕事の仕方が、大きく変わるとは思わない」

こう考える金融関係者は、ソロモン氏だけではない。

米大手銀行JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは昨年9月、在宅勤務は生産性に悪影響を及ぼしていると発言した。

英金融大手バークレイズのジェス・ステイリーCEOも最近、ワクチンによって従業員がオフィスに戻れるようになると、期待感を表明している。

在宅永続化させる会社も

対照的に、テクノロジー業界では在宅勤務にもっと前向きな企業が多い。

米企業のマイクロソフト、フェイスブック、ツイッターはすべて、今後もずっと自宅勤務を選べるようにするとしている。

そのうちフェイスブックは、今後5年から10年以内に、最大半数のスタッフがリモート勤務するようになるかもしれないと見通しを示している。

ただ同社は、リモート勤務者について、サンフランシスコやシリコンバレーから離れた場所に住めば経費が少なくなることから、給与も下がる可能性があるとしている。

(英語記事 Bank boss rejects work from home as a 'new normal'