2021年02月28日 10:37 公開

ミャンマー国軍は27日、チョーモートゥン国連大使を解任したと発表した。大使は前日の国連総会で国軍によるクーデターを批判し、国軍を権力の座から排除するために各国に協力を求めた。

ミャンマーのチョーモートゥン国連大使は26日、選挙で選ばれた政府に権力が民主的に返還されるまで、誰も国軍と連携すべきではないと、思いを込めて演説した。

これについて、ミャンマーの国営テレビは27日、「国を裏切り、国を代表していない非公式組織の代弁をし、大使の権限と責任を乱用した」として、チョーモートゥン氏を解任したと伝えた。

治安部隊は同日、クーデターに対する抗議行動の取り締まりを強化した。地元メディアによると、数十人が逮捕された。サガイン地方・モンユワでは女性1人が銃撃されたが、容体は不明という。

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国連大使の主張

チョーモートゥン氏は26日の国連総会で、ミャンマーの「民主主義を回復」するため、国軍に対して「行動を起こすのに必要なあらゆる手段」を講じるよう国際社会に訴えた。そして、自分は国軍に排除されたアウンサンスーチー氏率いる政府(NLD)を代表していると述べた。

「軍事クーデターを直ちに終わらせ、罪のない人たちへの弾圧を止め、国家権力を国民に取り戻し、民主主義を回復するため、国際社会からのさらに強力な行動が我々には必要だ」

総会ではこの演説に拍手喝采が起き、アメリカの新国連大使リンダ・トーマス=グリーンフィールド氏も「勇気ある」発言だと称賛した。

さらに抵抗を示すため、チョーモートゥン氏は3本指を立てた。これはミャンマーの抗議者たちが使っている、当局への抗議を示すジェスチャー。

アウンサンスーチー氏は「秘密の場所」に

ミャンマーでは1日に国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)から政権を奪取した。NLDが大勝した昨年11月の総選挙で不正があったと主張しているが、証拠は示していない。

アウンサンスーチー氏はその後、無線機を輸入し使用したなどとして訴追された。同氏はクーデター以降自宅に軟禁されているが、独立系ニュースサイトは26日、同氏が秘密の場所に移されたと報じた。

アウンサンスーチー氏の弁護士はロイター通信に、同氏が別の場所に移されたと聞いている、次の審理が始まる前に同氏と接触できない状況だと話した。

27日に何があったのか

ミャンマーの複数の都市でさらなる抗議が起き、放水砲が導入されたり、ジャーナリストを含む数十人が拘束されたと報じられた。

最大都市ヤンゴンでは、警察が抗議者に催涙ガスを発射。ロイター通信は目撃者の話として、市民が警察に逮捕され殴られたと伝えた。警察が空に向けて発砲したとの報道もある。第2の都市マンダレーでも同様の衝突が起きたと報じられた。

27日のマンダレー近郊モンユワでの抗議行動で、女性が銃撃されたと多数の地元メディアが報じた。ソーシャルメディア上では当時の様子をとらえた画像や、撃たれたとされる女性の身元について情報が拡散されているが、真偽は不明。

救急車サービス関係者はロイター通信に対し、この女性が入院中だと証言。女性の容体について情報が錯綜している。

モンユワの医療従事者は、足に「重傷を負った」男性を目撃したほか、軽傷を負った少なくとも10人が治療を受けたとAFP通信に述べた。地元メディアは私服警官による暴行疑惑も報じている。

ヤンゴンなど一部の場所では、抗議者たちが即席のバリケードを作り、当局による取り締まりを妨害しようとした。

ミンアウンフライン国軍総司令官は自身が主導したクーデターの正当性を主張しているが、このクーデターで少なくとも抗議者3人と警官1人が死亡している。

監視団体「政治犯支援協会」(AAPP)によると、クーデター以降、770人以上が逮捕・起訴されている。

27日にはAP通信のカメラマン1人を含む少なくとも3人のジャーナリストが拘束されたと、AFP通信は報じた。

国軍はインターネットやソーシャルメディア・プラットフォームを遮断したが、抗議でもは毎日続いている。クーデターは国内外から広く非難されており、国際社会が国軍に対する制裁や懲罰的な措置を取るなどしている。

(英語記事 Myanmar army sacks UN envoy after anti-coup speech