2021年02月28日 12:03 公開

イタリア南部ナポリ近郊のポンペイ遺跡で発掘調査を続ける考古学チームは27日、遺跡近くで発見した儀式用の馬車を公開した。

4輪の馬車は、2018年に3頭の馬の骨が見つかった場所の近くで発見された。

専門家によると、馬車は「保存状態がすばらしい」、「類まれな」発見で、祭りやパレードなどで使用されていた可能性が高いという。

馬車は、ポンペイの住宅遺構チヴィタ・ジュリアーナにある古代邸宅の厩舎につながった2階建てのポルティコ(柱で支えられた玄関ポーチ)で見つかった。

紀元79年にヴェスヴィオス火山の噴火に見舞われ、街や住民ごと灰に埋もれた古代ローマの都市ポンペイは、考古学的な発見の宝庫とされる。

ポンペイ考古学公園は声明で、馬車の「鉄の部品、美しい青銅やブリキの装飾」や、ロープや花の装飾が「ほぼ無傷の状態」で発見されたと明かした。

考古学者たちは馬車が1月7日の発掘調査で最初に見つかってから、安全に掘り起こすまで数週間を要したと説明。馬車の素材がもろいため発掘作業は特に複雑になり、特殊技術を用いて傷つけないよう作業したという。

違法なトンネルなどを使って遺跡から文化遺産を略奪しようとする犯罪行為への警戒から、発掘作業は地元の検察庁と協力して進められた。

「驚異的な発見」

当局は馬車について、イタリア国内で他に類を見ない発見だと語った。

「古代世界に関する理解を深める驚異的な発見だ」と、発掘を率いるマッシモ・オザンナ氏は広報文で述べた。

馬車に施された一部の装飾が、この馬車が結婚式などのお祝い事に使用されていたことを示していると、同氏は指摘した。

イタリアのダリオ・フランチェスキーニ文化相は、ポンペイ遺跡では「今なお新しい発見が相次いでいるし、まだ20ヘクタール分の発掘作業が残っているので、新発見は今後何年も続くはずだ」と述べた。

南部ナポリの南東約23キロに位置するポンペイ遺跡は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている。

イタリアを代表する観光スポットだが、新型コロナウイルスの影響で現在は閉鎖されている。

(英語記事 Archaeologists unearth chariot outside Pompeii