2021年02月28日 21:01 公開

ミャンマー各地の主要都市で28日、国軍による軍事クーデターに抗議する市民デモが続き、治安当局は実弾発砲など武力行使を強化した。多数の市民が死亡したもよう。

最大都市ヤンゴン、第2の都市マンダレー、南東部ダウェイなどの主要都市で、デモ隊と治安当局が衝突し、当局側は実弾やゴム弾、催涙ガスなどを市民に向けているという。

国連人権高等弁務官事務所は、少なくとも18人が死亡したとの「信頼できる情報」を得ているとした。けが人も30人以上出ているという。死者はミェイク、バゴー、パコックーの各都市でも報告されたとしている。

ソーシャルメディアに投稿された映像では、突入する治安当局から走って逃げる市民の様子や、路上のあちこちに作られたバリケード、流血してデモの隊列を離れる人たちの様子などが見てとれる。

クーデターに抗議する人たちはこれまで概ね、平和的な抗議を続けてきたが、治安当局は27日から武力行使による激しい鎮圧を本格化させている。

ミャンマーでは2月1日に国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)から政権を奪取した。NLDが大勝した昨年11月の総選挙で不正があったと主張しているが、証拠は示していない。

各地の状況は

28日のデモ鎮圧による被害状況について、情報は錯綜している。AFP通信は医療機関や政府関係者の話として、少なくとも6人が死亡したと伝えた。ロイター通信は同様の消息筋の話として、7人が死亡したとしている。どちらにしても、2月1日の軍事クーデター以降、1日の死者数としては最多となった。

さらに、ソーシャルメディアで流れている未確認情報は、20人以上が死亡したかもしれないとしている。

最大都市ヤンゴンでは、治安部隊が閃光(せんこう)弾や催涙ガスを使用しても市民が抗議を続けたため、当局は実弾を発砲。ソーシャルメディアには、路上に血が流れ、抗議参加者が仲間に助けられ現場を離れる様子などの写真や映像が投稿されている。

ロイター通信は医師の話として、胸を撃たれた男性1人が病院で死亡したと伝えた。

しかしデモ隊はバリケードを築くなどして、対抗を続けた。ニャンウィンシェイン氏はロイター通信に、「私たちは推されれば立ち上がる。攻撃されれば防御する。決して軍靴に屈したりしない」と話した。

別の抗議参加者エイミーキャウさんはAFP通信に、「私たちが到着した途端、治安部隊は発砲を始めた。何の警告もなかった。けが人が出て、近所に家にまだ隠れている教師たちもいる」と話した。

警察車両に乗せられ連行された、抗議参加者もいる。

南東部ダウェイでは、治安当局が抗議集会の強制排除に乗り出した。

ダウェイでも、実弾が使われたとの情報がある。現地メディア「ダウェイ・ウォッチ」によると、少なくとも1人が死亡し、十数人が負傷した。救急関係者はロイター通信に、3人が死亡しており、さらに増える恐れがあると話したという。

第2の都市マンダレーでも、警察が大規模な集会を摘発。放水車を使い、空へ発砲したという。現地メディア「ミャンマー・ナウ」によると、2人が死亡したという。

北東部ラシオでもデモが行われた。

軍政に抗議するデモが始まって以来、何人が拘束されたのかはっきりしていない。人権監視団体「ビルマ政治囚支援協会(AAPP)」は850人だとしているが、今週末にさらに数百人が拘束されたもよう。

アウンサンスーチー氏は「秘密の場所」に

1日のクーデターで軍部に拘束されたアウンサンスーチー氏はその後、無線機を輸入し使用したなどとして訴追された。同氏はクーデター以降自宅に軟禁されているが、独立系ニュースサイトは26日、同氏が秘密の場所に移されたと報じた。

アウンサンスーチー氏の弁護士はロイター通信に、同氏が別の場所に移されたと聞いていると話した。

アウンサンスーチー氏は3月1日にも、無登録の無線機所有や新型コロナウイルス対策の規則違反などの罪状で出廷する予定だが、弁護士は同氏と接触できていない状況だと話している。

(英語記事 Myanmar coup: Casualties rise as police step up crackdown