2021年03月02日 12:16 公開

フランス政府は1日、新型コロナウイルスの英アストラゼネカ製ワクチンに関するこれまでの方針を見直し、基礎疾患のある高齢者にも接種を認めると発表した。

エマニュエル・マクロン大統領は1月、アストラゼネカ製ワクチンについて、高齢者層には「ほぼ効果がなさそうだ」とし、65歳未満に限って接種を認めるとした。高齢者を対象とした臨床試験(治験)のデータ不足を理由としたが、イギリスの当局や科学者らはこの判断に強く反対していた。

オリヴィエ・ヴェラン保健相はこの日、「65~74歳の人を含め、併存疾患のある人はアストラゼネカのワクチン接種を受けられる」と、テレビ局フランス2で方針転換を表明。診療所や病院、さらに「数日内には」薬局で接種できるようになるとした。

75歳以上の国民については引き続き、米ファイザー製か米モデルナ製のワクチンが接種センターで提供されると述べた。

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アストラゼネカが英オックスフォード大学と共同開発したワクチンは、イギリスで広く接種されている。最近になり、高齢者にも高い効果があるとする研究が発表された。

欧州連合(EU)の医薬品規制当局、欧州医薬品庁(EMA)は、同ワクチンについて成人への使用を認めている。ただ、接種の判断は加盟各国に委ねられており、ドイツなど何カ国かは今も、65歳未満への接種を制限している

フランス保健省によると、同国は2月末までにアストラゼネカ製ワクチンを170万回分受け取ったが、接種されたのは27万3000回分に過ぎないという。

多くのEU加盟国では、ワクチン接種が遅れている。フランスでこれまでに1回以上の接種を受けた人は約300万人で、人口が同規模のイギリスが約2000万人なのに比べ、かなり少ない。

アストラゼネカのワクチン

イギリスとスウェーデンの企業が合併してできたアストラゼネカが製造するワクチンは、イギリスで昨年12月に始まった大規模接種で使用されている。

英保健当局は、同ワクチンがすべての年齢層に「高いレベルの防御効果」をもたらすとしている。

治験でアストラゼネカ製ワクチンを接種した人で、新型ウイルスにより病院に入院したり、重症になったりした人は出ていない。

同ワクチンは腕に2回接種する。1回目と2回目の間隔は4~12週間。

(英語記事 France reverses stance on AstraZeneca vaccine