
2021年03月03日 11:54 公開
アフガニスタンのジャララバートで、テレビ局で働く女性3人が射殺された。同国ではこのところ、政治家やジャーナリスト、活動家などを狙った殺人事件が相次いでいる。
報道によると、2件の襲撃で18~20歳の女性3人が殺された。さらに1人が重体だという。
警察は反政府組織タリバンと関連のある男を主犯格として逮捕したが、タリバンは関与を否定している。
3人は最近、高校を卒業したばかりで、テレビ局エニカスの吹き替え部門で働いていた。
AP通信によると、そのうちの1人のムルサル・ワヒディさんは、帰宅途中に襲撃された。残りの2人はシャーナズさんとサディアさんで、やはり帰宅途中に別々の場所で殺された。
ロイター通信はエニカスの広報担当者の話として、負傷した女性は病院で手当を受けていると報じている。
警察はなお、その他の襲撃犯を追っている。
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アフガニスタンでは、アメリカのドナルド・トランプ前大統領が昨年2月にタリバンと合意に達し、米軍撤退を指示。それ以来、対象者を定めたこうした殺人事件が相次いでいる。
昨年12月には、同じくエニカスで働いていた女性ジャーナリストのマララ・マイワンドさんが、ジャララバードに仕事で出かける途中に銃撃された。
この事件については、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。
エニカスTVでは、雇用した女性10人のうち4人が殺されことになる。
今年1月には、最高裁判所の女性判事2人が銃で撃たれて死亡した。
駐留部隊の撤退の動き
アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領は2月にBBCの単独取材に応じ、タリバンに軍事力で負ける懸念はないと主張。「ここはヴェトナムではない。政府は崩壊しない」と説明した。
北大西洋条約機構(NATO)は先に、アフガニスタン駐留部隊を撤退させる決定は下していないと発表した。トランプ前米政権とタリバンの合意では、NATO軍も今年5月までに完全撤退することになっていた。
ジョー・バイデン米大統領は現在、トランプ前大統領による合意を再検討している。
アメリカのアフガニスタン和平担当特別代表ザルメイ・ハリルザド氏は首都カブールを訪問し、アフガン政府とタリバンの和平プロセスの協議を続けている。