2021年03月03日 12:24 公開

米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は2日、上院司法委員会の公聴会で、国内において米国民が起こすテロ事件が急増しているとし、複数の死者を出した1月の米議会襲撃事件が過激派を「刺激」している可能性があると警告した。

レイFBI長官によると、現在進められているFBIの国内テロ調査は約2000件に上り、2020年末時点の1400件から増加している。

白人至上主義者を含む「人種を活動動機とする暴力的な過激派」の検挙件数は2017年から3倍に増加している。

レイ長官は今回初めて、議会襲撃事件を「国内テロ」とみなしていると述べた。

そして、議会襲撃事件が「多数の過激なテロリストを刺激」する恐れがあるとした。

同事件をめぐっては、これまでに260人以上が逮捕されている。

国内テロについて

FBIのレイ長官は1月6日の議会襲撃以降で初めて公聴会に臨み、あのような行動を受け入れることは「我が国の法の支配をあざ笑うことになる」と警告した。

レイ氏は過激派や「悪人」がオンライン上で結集し、当局から逃れるために暗号化されたメッセージプラットフォームを使用していたと指摘した。

「今日のテロリズムは、1月6日に直面したような、ソーシャルメディア特有のスピードで動いている」とレイ氏は説明。解決策がなければ、「法のプロセスがどれだけ頑丈であろうが、犯罪がどれだけ恐ろしいものであろうが、悲痛な犠牲者が出ようがどうしようもない」とした。

レイ氏は、最大の脅威はオンライン上で過激化した「ローン・アクター(単独犯)」によるものである可能性が高く、こうした人物は「ジハーディスト(イスラム聖戦主義者)に触発されたり、国内の様々な刺激に動機付けされている」と述べた。

議会襲撃について

レイ氏は、議会襲撃は左翼の扇動者が変装して実行したものだという、ドナルド・トランプ前大統領の一部の支持者が主張する説を否定した。

これまでのFBIの調査では、暴動に参加した過激派の「かなり大勢」が極右の反政府武装集団に属していたことが明らかになったという。

そして、「外国の敵」も「自分たちの主張を増幅」しようと1月6日の暴動を利用していたと、レイ氏は付け加えた。

レイ氏はこれまで、議会襲撃について地元の法執行機関と連携し、議員に非公開の場で説明をしてきたが、公に語ったことはなかった。

<関連記事>

FBIに対する批判について

上院議員はまず、議会襲撃の前日にワシントンでの暴力行為を警告する地元当局からの報告を、FBIがどのように扱ったのかについて集中的に質問した。

米議会警察(USCP)は報告の存在を知らなかったとし、襲撃当日についてFBIから情報提供はなかったと証言している。

これについてレイ氏は、報告はFBIの合同テロ対策本部から出されたもので、司令部で議論されたあと、他の法執行機関がアクセス可能なオンラインポータルに掲載されたと反論した。

そして、現地からの報告がなぜより深刻に受け止められていなかったのかと、なぜ自分が数日後まで目にすることがなかったのかという疑問については、「適切な答えは持ち合わせていない」と述べた。

誰がレイ氏をFBI長官に任命したのか

レイ氏は2017年、当時のトランプ大統領からFBI長官に任命され、上院は92対5の賛成多数で就任を承認した。

レイ氏の前任ジェイムズ・コーミー氏は、2016年米大統領選にロシアが介入しトランプ陣営と結託していたとする疑惑捜査をめぐり、トランプ氏に解任された。

コーミー氏は同大統領選で民主党の大統領候補だったヒラリー・クリントン氏の、国務長官時代の私用メール・サーバー使用に関する捜査の指揮をめぐっても物議を醸した。

(英語記事 US Capitol riot 'inspiration' for extremists - FBI