2021年03月04日 13:32 公開

国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)は3日、中国と南アフリカの警察が偽の新型コロナウイルスワクチン数千回分を押収し、関係者を逮捕したと発表した。

中国では、偽ワクチンを製造していた工場で80人を逮捕。少なくとも3000回分の偽ワクチンを押収した。

一方、南アフリカのハウテン州では、中国人3人とザンビア人1人が逮捕され、2400回分の偽ワクチンが発見された。

一連の逮捕がいつ行われたかは明らかになっていない。

南アフリカでの逮捕については、昨年12月に地元紙サンデー・タイムズが報じていた

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計では、全世界でこれまでに1億1500万人近くが新型ウイルスに感染し、250万人以上が亡くなっている。

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インターポールはこの日の発表で、偽ワクチンの犯罪組織について報告を受けていると明らかにした。

また、各国の規制当局が認可したワクチンは現在、「インターネット上で購入できない」と強調。

「ウェブサイトやダークウェブ(暗号化などでアクセスに制限のあるインターネットコンテンツ)で宣伝されているワクチンは全て合法ではない。臨床試験もされておらず、危険なものである可能性がある」と説明した。

ワクチンはパンデミックを終結させるために重要な役割を担っている。ここ数カ月で数々のワクチンが規制当局の認可を得ており、世界各国がワクチンを確保しようと激しい競争を繰り広げている。

警察が押収したものは?

南アフリカでは、2400回分に相当する偽ワクチンの入ったびんが400個と、「相当量」の3M製マスクの偽造品が押収された。

警察当局は、発見された倉庫の写真を公開している。

南アフリカ警察のブリガディエ・ヴィシュ・ナイドゥー報道官は、インターポール加盟国との協力による摘発は「非常に効果的」だったと説明。「南アフリカ国内で市民に偽ワクチンを売りつけようとした外国人を逮捕することができた」と語った。

南アフリカでは、ワクチンの変異株への効果を疑問視する声が上がり、2月17日から市民への接種事業が始まったばかりだ。

一方、中国では偽ワクチンの製造工場がどこにあったのか発表されていない。インターポールは、中国の取締当局、非法商品与全球健康計画と共同で捜査を進めた。

中国の公安部と警察は、「ワクチン関連犯罪の防止と摘発に向けた活動」を行っており、今後もインターポールや他国の警察当局と協力して犯罪防止に当たると述べた。

偽ワクチンの犯罪、その規模は?

インターポールのユルゲン・ストック事務総長は、中国と南アフリカでの警察の動きを歓迎した一方で、新型ウイルスワクチン関連の犯罪としては「これは氷山の一角に過ぎない」と述べた。

インターポールは昨年12月にも、加盟194カ国の警察組織に対し、新型ウイルスのワクチンを狙った組織犯罪に備えるよう警告。偽の医薬品を見分けるアドバイスを発表した。

中国では2月、食塩水とミネラルウォーターを新型ウイルスのワクチンだと偽って売りつけ、数百万ドルをだまし取った組織犯罪のリーダーが逮捕されている。

逮捕されたコン容疑者は、本物のワクチンのパッケージデザインをまねて5万8000回分の偽ワクチンを製造していた。また、同様の犯罪でこれまでに70人が逮捕されているという。

この当時、すでに海外に密輸されていたが、どこに送られたかはわかっていなかった。

メキシコでは2月に、偽ワクチンを密輸した疑いで6人が逮捕されている。

容疑者らは、この偽ワクチンを診療所に1回分当たり2000ドル(約21万円)で売りつけていたと話しているという。

(英語記事 Police break up 'fake Covid-19 vaccine network'