2021年03月05日 12:40 公開

香港の裁判所は4日、国家の転覆を図った罪などに問われている民主活動家ら47人の審理を長時間にわたって続け、うち15人に保釈を認めた。だが、検察側が上訴したため、引き続き勾留された。

47人は香港国家安全維持法(国安法)に違反した罪で起訴されている。同法については、中国政府が香港の反体制派を弾圧するために使っているとの批判が出ている。

中国は昨年、香港の安定に必要だとして、同法を成立させた

起訴された男性39人、女性8人は、1月にあった早朝の強制捜査で同時に逮捕された55人の一部。有罪とされた場合、最も重い刑としては終身刑を受ける可能性がある。

抗議運動に長年関わってきた学者の戴耀廷(ベニー・タイ)氏や政治家の梁国雄(レオン・クオックホン)氏、より若い世代の何桂藍(グウィネス・ホ)氏、張可森(サム・チャン)氏、岑敖暉(レスター・シュム)氏などが含まれている。

<関連記事>

47人に対する保釈の審理は1日に始まり、4日夕まで続いた。BBCのグレイス・ツォイ記者は47人について、先月28日に警察署に出頭して以来、3日間シャワーを浴びることも認められなかったと報告。被告側から衛生上問題だとする声が出て、審理が延期されたと伝えた。

裁判が続いた間、裁判所の前には傍聴を望む民主運動支持者らの長い列ができ、警察が出動して警備にあたった。

起訴内容は

被告47人は、昨年7月に非公式の「予備」選挙を実施したことが国安法違反に当たるとされた。この予備選は、同年に予定されていた立法会選挙の候補者を選ぶものだった。立法会選挙はその後、延期された。

中国と香港の当局は予備選について、政府の転覆を狙ったものだったと主張している。

国安法では、これまで約100人が違反に問われ拘束されている。香港メディア界の大物で中国政府に批判的な黎智英(ジミー・ライ)氏も逮捕され、勾留が続いている。

国安法違反罪での最初の裁判は、昨年7月にオートバイで警官隊に突進したとして起訴された男性の審理になるとみられている。男性は昨年11月に出廷し、無罪を主張した。陪審ではなく裁判官3人によって裁かれるとみられている。

イギリスのドミニク・ラーブ外相は1日、47人が起訴されたことについて、香港の中国への返還前に英中両国が合意した共同宣言に違反する「深く憂慮すべき」対応だと述べた。

国安法とは

国安法は、中国からの分離独立や中央政府の転覆、テロ行為、外国勢力との結託を禁止するもので、違反すると最高で無期懲役が科される。

人権団体や欧米諸国からは、反対意見を抑圧するものだとして批判が出ている。

かつてイギリスの植民地だった香港は1997年に中国に返還され、「1国2制度」のもと、言論の自由や表現の自由など、中国大陸ではみられないような権利を享受してきた。

活動家たちは過去数年間、こうした香港の自由が中国によって侵食されていると主張している。民主化を求める抗議活動では、抗議者と警察がたびたび暴力的な衝突を起こしている。身の安全を心配し、解散する民主化グループも出ている。

国安法違反に問われた場合、陪審なしの非公開裁判にかけられる可能性もある。裁判が中国当局に引き継がれることもありうる。

(英語記事 HK activists stay in custody after lengthy hearing