2021年03月08日 13:42 公開

国軍に対する抗議デモが続くミャンマーのヤンゴンで、アウンサンスーチー氏が率いる政党・国民民主連盟(NLD)の男性職員が治安部隊に拘束された後、まもなく死亡していたことが7日、明らかになった。

ミャンマー情勢を伝えるオンラインメディア「イラワディ」によると、亡くなったウキンマウンラットさん(58)は、近年の総選挙などでNLDの候補の選挙運動に熱心に取り組んでいた。福祉関連の仕事でも評価されていたという。

6日午後10時ごろに「自宅で激しく殴打されたり蹴られたりした後、連れ去られた」と、目撃者はイラワディに話した。

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ウキンマウンラットさんの遺体は7日朝、家族が軍病院で引き取った。気を失った後に死亡したと、家族は当局から説明を受けたとされる。

ウキンマウンラットさんの写真からは、頭部に巻かれた布に血痕が付着しているのが確認できる。

活動家らは、ウキンマウンラットさんが拘束された後、警官と兵士らに殴打され、厳しい取り調べを受けたと訴えている。

ミャンマーでは先月1日に国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー氏ら民主的に選ばれた政治指導者らを拘束。市民らは直後から抗議デモを始めた。

国軍などによる弾圧で死傷者が出ているが、デモは続いている。国連はこれまでに50人以上が死亡したとしている

5日には、マグウェ地方のNLD職員が、国軍支持者らに襲われ死亡した。

死体を掘り起こす

当局は、抗議デモに参加中に頭部を銃撃されて死亡したチャルシンさん(19)の遺体を墓から掘り起こし、警官による発砲は受けていなかったと発表した。

デモ参加者らの写真は、銃撃された当時、チャルシンさんが頭の向きを変え、警官に後頭部を見せていたことを示している。

一方、国軍は隣国インドに対し、命令を拒否して同国に渡り、難民としての保護を求めた警官らを引き渡すよう要請した

ヤンゴンでは6日、警察が再び夜間の強制捜索を実施した。

「犯罪行為だ」

国連のトム・アンドリュース・ミャンマー人権特別報告者は、ミャンマー各地のビデオ映像から、治安部隊が逮捕の際に、建物に向かって繰り返し発砲していたことが分かるとBBCに話した。

「治安部隊がヤンゴンの通りを歩きながら、窓に向かって発砲している状況が確認できる。窓からは、恐怖にかられた住民が通りの様子をうかがっている」

「これは暴力集団だ。犯罪行為だ。地域を恐怖に陥れている。世界は今すぐ行動を起こす必要がある」

第2の都市マンダレーでは7日、数千人規模の抗議デモがあり、治安部隊は催涙ガスを使用した。

ロイター通信によると、ヤンゴン、ラシオ、バガンなど6前後の都市でデモ参加者らが拘束された。南部ダウェイではデモのリーダーの1人が、「向こうは鳥やニワトリを殺すように人を殺している。抵抗しないでどうしろと言うのか。抵抗するしかない」と述べたという。

(英語記事 Party official dies in custody in Myanmar