2021年03月08日 18:52 公開

イギリス王室のサセックス公爵夫人メガン妃は、王室の生活はあまりに困難で、「これ以上生きていたくないと思った」こともあったと打ち明けた。生まれてくる息子の肌の色について王室関係者から質問されたことも、明らかにした。

メガン妃の発言は、米CBSが7日に放送した2時間の特別番組で明らかになった。メガン妃は夫のハリー王子と共に、この番組のために米著名テレビ司会者オプラ・ウィンフリー氏のインタビューに応じていた。

極めて個人的な内容にまで及んだインタビューで、メガン妃は必要な支援を受けることができなかったと話した。

大変だった経験の1つとして、夫のハリー王子が王室メンバーの1人から、生まれてくる息子の肌が「どれくらい黒くなるか」尋ねられたことを挙げた。

一方、ハリー王子は公務引退の意思を固めたころ、父チャールズ皇太子が自分の電話に出てくれなくなったと明らかにした。

夫妻このほか、人種差別や精神衛生、メディアとの関係、王室内の人間関係の力学など、さまざまなトピックについて考えを述べた。

夏に誕生予定の赤ちゃんが女の子だということも公表した。

夫妻は昨年3月、王室の公務から正式に退いた。その後、米カリフォルニア州に移住。先月、現役の王室メンバーに復帰することはないと発表した

今回の特別番組は、イギリスでは8日夜にITVで放送される。

「守られていなかった」

メガン妃は、行動を制限されるようになってから孤独感を覚えるようになったと話した。自宅から出ることが数カ月間、認められなかった時期もあったと明らかにした。

そして、「これ以上ないほどの孤独感」に襲われたこともあったと述べた。

自傷行為や自殺を考えたことはあったかとウィンフリー氏から聞かれると、メガン妃は「ええ。ものすごくはっきりと。とてもはっきりそう思ったし、とても怖かった。誰に助けを求めていいのか分かりませんでした」と答えた。

メガン妃は、妊娠中にロイヤル・アルバート・ホールでハリー王子と出席した公式行事の写真に「苦しめられ」てきたと述べた。

「その(行事の)ために出かけようとした直前、ハリーとその会話を、その朝にしたんです」

ウィンフリー氏が「もう生きていたくないと?」と問うと、メガン妃は「そうです」と答えた。

メガン妃はその夜、「一人ぼっち」には耐えられないと思い、ハリー王子と共に行事に出席したと話した。また、ロイヤル・アルバート・ホールではずっと、ハリー王子の手をきつく握っていたと思い返した。

肌の色が話題に

アーチーちゃんを妊娠していた時には、王室の1人が、「生まれてくる子の肌がどれほど黒くなるのか、自分の周りの人たちは心配して相談」しあっていたこともあったという。

メガン妃は、その発言はハリー王子に対して投げかけられたもので、自分は王子から聞いたと述べた。

生まれてくる子どもの「肌が茶色すぎる」事態を王室関係者が懸念していたのか、その場合はそれが問題になるという考えが王室にあったのか、ウィンフリー氏は尋ねた。これにメガン妃は、「そう思っていただいて構いません」と答えた。

肌の色に関する発言を誰がしたか重ねて聞かれたが、メガン妃は「その人たちにとってかなりダメージが及んでしまうので」と言って答えなかった。

ハリー王子も詳細を語ることを拒否。「あの会話のことは、自分は決して口外しません」と述べた。

「当時は気まずいなと思ったし、自分はちょっとショックを受けていました」

ハリー王子はまた、メガン妃がメディアから人種差別を受けたと述べ、その後に彼女を守ってくれた親類は皆無だったと話した。

「あの3年間、家族の誰も、何も言ってくれませんでした。あれには傷つきました」

「あの人たちはうそもつく」

夫妻は王室について、夫妻を守ってくれなかったと批判した。2018年5月に結婚すると状況は「本当に悪化し始めた」と、メガン妃は語った。

「私は自分が守られていないばかりか、他の王室を守るためならあの人たちは平気でうそをつくのだと、理解するようになりました」

「でも、私と夫を守るために本当のことを話そうという気は、あの人たちにはありませんでした」

メガン妃はここで、結婚式の花係の子どもたちのドレスをめぐり、彼女がケンブリッジ公爵夫人キャサリン妃(ウィリアム王子の妻)を泣かせたといううわさに言及していた。このうわさは、タブロイド紙の格好の話題となって広がった。

メガン妃は、実際に起きたのは間逆だったと言い、ケイト妃が後に花束と手紙を持参して謝りに来たのだと話した。

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ハリー王子は、インタビューの後半からメガン妃と同席。家族内の人間関係について語った。

祖母エリザベス女王との関係については「とてもいい」とし、今でもよく話をすると述べた。

一方で、父チャールズ皇太子との関係は悪化したと説明。父に「とても失望しました」と語った。

ハリー王子は、それでも父を愛し続けるとしたが、「傷ついたことはたくさんありました」と述べた。

兄ウィリアムズ王子については、「別々の道」を歩んでいると表現した。

王子はさらに、昨年初めに公務引退の意思を明らかにした後、王室から経済的な支援を断たれたと明らかにした。

夫妻は公務引退後に米動画配信大手ネットフリックスや音楽配信大手スポティファイと大型契約を結んでいるが、ハリー王子はこれは当初の計画ではなく、自分たちの警備代をまかなうために必要だったのだと説明した。

<分析>ジョニー・ダイモンド王室担当編集委員

メガン妃とハリー王子は、イギリスで最も売れている新聞各紙が作り出した物語をひっくり返した。

夫妻は、王宮内の恐ろしい緊張を明らかにした。冷酷な組織にいる感情のない人々の存在を描き出した。王室内の人種差別についても語った。衝撃的なインタビューだった。

しかし、ハリー王子は兄や父について「捕らえられている」と表現した。メガン妃は王宮内でたびたび支援を求めたがかなわなかったと話した。これは、王室という機関にとってのボディブローだ。

王室がどんな反応を示すのかは、まったくわからない。暴露の多くは非常に個人的なもので、それらへの反応が出る可能性は低そうだ。エリザベス女王は繰り返し、夫妻への愛情を表明している。

夫妻が軽蔑する新聞各紙は、論調を変えるだろうか。いや、それは各紙にとって「らしくない」ことだ。

新聞の一部は、インタビュー放送前に出された日曜版で怒りをあらわにした。メガン妃とハリー王子は、有力紙媒体のほとんどについて、公平な扱いを受けることをあきらめている。これから発行されるものを夫妻が目にし、気持ちを変える可能性は極めて低い。

(英語記事 Meghan 'didn't want to be alive anymore'