2021年03月11日 11:06 公開

米下院は10日、ジョー・バイデン大統領が掲げる1兆9000億ドル(約200兆円)規模の新型コロナウイルス経済対策法案について、賛成220、反対211で再可決した。大型経済対策の実現に向け、米議会の最後のハードルを越えた。

6日の上院採決に続き、野党・共和党の下院議員は全員が法案に反対した。

経済対策法案はすでに下院で可決されていたが、6日に上院が可決したのは修正法案だったため、あらためて下院で採決が行われた。12日にもバイデン大統領の署名を経て成立する見通し。

6度目となる新型ウイルス感染症COVID-19救済法案は、バイデン氏にとって立法上の大勝利といえる。

今回の法案には身内の民主党からは1人が反対票を投じた。

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ホワイトハウスのジェン・サキ大統領報道官は、バイデン大統領が12日にも法案に署名すると説明した。

バイデン氏は、この法案は「不可欠な分野を担う労働者やこの国を築いた労働者、そしてこの国を前進させ続けている人たち。この国の根幹となるこうした人たちに、闘えるだけのチャンスを与えるもの」だと述べた。

その後バイデン氏は、アメリカ国内で市民への予防接種を確実に行った後、余ったCOVID-19ワクチンを世界中に共有すると約束した。「余剰ワクチンがあれば、世界中の人たちと共有するつもりだ」。

経済対策の中身は

「アメリカン・レスキュー・プラン(アメリカ救済計画)」と呼ばれる今回の経済対策では、高額所得者を除くほとんどの国民に1人あたりり最大1400ドル(約15万円)が支払われる。

週300ドルの失業保険の追加給付期間は、9月6日まで延長される。

州政府や自治体には3500億ドル、学校には1300億ドルが支給される。

新型コロナウイルス検査の拡大や研究に490億ドル、ワクチン供給に140億ドルを支出する。

7.25ドルから15ドルへの最低時給引き上げについては上院で議論が難航し、最終的な法案には盛り込まれなかった。

誰が支持したのか

この法案はアメリカ国民に広く支持されている。

米調査機関ピュー・リサーチ・センターが3月に行った世論調査によると、アメリカの成人の70%が法案を支持しており、そのうち41%が共和党員だった。

上下両院でわずかに過半数を越えている民主党は概ねまとまっており、当初の提案内容のほとんどを維持することができた。

バイデン氏は1月に「アメリカン・レスキュー・プラン」を発表した際、低迷する経済を活性化するには政府が「大きく動く」必要があると述べていた。

新型コロナウイルスのパンデミックはアメリカにおいて、過去100年で最悪規模の公衆衛生上の危機に拡大。これまでに52万7000人以上が死亡し、2900万人以上が感染している。

失業率は昨年に急上昇し、米労働省によると現在の失業率は6.2%という。

誰が反対したのか

上下両院の共和党議員たちは、この法案に伴う財政出動の規模に異議を唱えた。過去1年間に収入が減少しなかった人には景気刺激策の給付金を払うべきではないとするなど、法案に盛り込まれた様々な要素をより小規模に、より対象を絞ったものにするよう求めてきた。

下院のケヴィン・マカーシー少数党院内総務(共和党)は10日の採決に先立ち、「下院民主党は、与野党協調と国内融和のふりを、完全に放棄した」と述べた。

「5つの救済法案を経て、(野党協力を得ず)完全に党派に沿って可決されるのは、これが初めてだ」と批判した。

マカーシー議員はこの法案について、単独の法案としてはアメリカの歴史上最も高額だと述べた。

(英語記事 Biden’s $1.9tn Covid relief passes US Congress