2021年03月12日 12:38 公開

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は11日、中国オリンピック委員会から、今夏開催予定の東京オリンピック・パラリンピックと2022年北京オリンピック・パラリンピックの参加者に新型コロナウイルスワクチンを提供するとの申し出があったと明らかにした。

バッハ会長は、「オリンピックとパラリンピックの参加チームのための追加分のワクチン費用をIOCが負担する」と付け加えた。

会長は前日に、昨年から1年延期となった東京大会について、今年7月23日に開かれると述べていた。

こうした中、米オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)のサラ・ハーシュランド最高経営責任者(CEO)は、アメリカでのワクチン展開のペースを念頭に、アメリカ代表選手は東京五輪よりも前に接種を受けられる可能性があるとした。

ハーシュランド氏は、当初の想定よりも早い段階で接種を受けられる可能性について「素晴らしいニュースだ」とした上で、「アメリカ人選手だけでなく、現在アメリカで生活し、トレーニングをしている海外の選手にとっても有益であり、アメリカでの接種の進捗を非常に前向きにとらえている」と述べた。

ジョー・バイデン米大統領は11日、アメリカの全成人が5月1日までにワクチン接種を受けられるようになると発表している。

海外からの観客受け入れは

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長は11日、海外からの観客受け入れについて、聖火リレーが始まる25日までに関係者と協議して決定すると述べた。

海外からの観客をめぐっては、新型ウイルスの感染状況を考慮し、日本政府が受け入れを見送る方針を固めたとロイター通信が報じた

<解説>中国ワクチンをPRか、北京五輪の政治的ボイコット求める声も――アレックス・キャプスティック、BBCスポーツ記者

中国は自国開発のワクチンを積極的に、多くの国に提供して広めようとしている。対象の国は、増え続けている。

オリンピック・パラリンピックの開催前に、選手たちに提供するという今回の申し出は、そういう意味ではPR行為にも見える。

中国と五輪に関しては現在、北京大会を政治的にボイコットしようという声も高まっている。中国の少数民族ウイグル族に対する扱いが「ジェノサイド」(集団虐殺)だという、国際的な非難が原因だ。

しかし、参加選手へのワクチン提供は、ワクチン接種事業がまだまだ初期段階にある発展途上国では特に歓迎されるだろう。

できるだけ多くの参加選手が2回の予防接種を完了した上で、東京を訪れるのが望ましい―――。IOCは明確にこう述べている。一方でIOCは、選手の予防接種は強制ではなく、各国政府に接種展開の変更は求めていないとしている。それでもハンガリーやリトアニア、メキシコなどでは選手が優先的に接種を受けている。

対照的にイギリスやアメリカ、ドイツのオリンピック委員会は選手は自分の番を待つべきだとしており、オリンピック成功のために若くて健康な選手の接種を優先すべきなのかという、道徳的・倫理的な議論が起きている。

(英語記事 China offers doses for Tokyo & Beijing