2021年03月13日 10:59 公開

英ロンドン南部クラパムで今月3日夜、帰宅途中の会社員サラ・エヴァラードさん(33)の行方が分からなくなった事件で12日、ロンドン警視庁の現職警官が誘拐と殺人の疑いで訴追された。

ロンドン警視庁のウェイン・カズンズ警官(48)は9日の時点で、エヴァラードさんの誘拐と殺人の疑いで逮捕されていた。警察は10日、英南東部ケント州の森林で人の遺体を発見したと発表。12日には遺体の身元をエヴァラードさんだと確認したと明らかにした後、カズンズ警官を訴追したと発表し、氏名も公表した。

カズンズ容疑者は13日にも、ロンドン・ウェストミンスターの治安裁判所に出廷する。

マーケティングマネージャーのエヴァラードさんは3日午後9時半ごろ、クラパムの幹線道路の歩道を1人で歩いている姿が、道端の防犯カメラに撮影されていた。これを最後に、行方が分からなくなっていた。友人宅を出て、近くのブリクストン地区にある自宅を目指していたとされるが、家までたどりついたかは分からないと警察は話している。

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警察がケント州アシュフォードを捜索した結果、森林の中で遺体が見つかった。

ロンドン警視庁のニック・エフグレイヴ警視監は、エヴァラードさんの遺族は「すでにこの展開について知らされており、被害者や家族対応を専門とする警官たちの支援を引き続き受けている」と話した。

「サラさんの家族が、とてつもなく苦しかったに違いないこの数日間、我慢強く、耐えてくれたことを称えたい。これからさらに事態が進展する間も、私たちはサラさんと家族のことを思っている」と警視監は述べ、「もちろん今後も捜査は続く。ロンドン警視庁の警官数百人と、ケント警察の同僚たちが支援する」と話した。

逮捕から訴追の間、カズンズ容疑者は2日間で2回にわたり、留置場で頭部にけがをしているのが見つかり、病院に運ばれ、また留置場に戻された。

12日夜にはロンドン警視庁のクレシダ・ディック警視総監が、クラパムの緑地公園「クラパム・コモン」を視察し、現地の市民と言葉を交わした。エヴァラードさんは友人宅を出て自宅へ向かう途中、このクラパム・コモンを通ったと思われる。

エヴァラードさんの母校ダラム大学のスチュアート・コーブリッジ副学長は、「サラさんは人気があり活発で、ダラム大学でたくさんの友人を作った」として、「きわめてつらいこの時に、ご家族や友人たちを思っている」と話した。

ロンドン警視庁によると、カズンズ容疑者は2018年に任官し、当初はロンドン南東部ブロムリー地区に配属された。

昨年2月から、ダウニング街の首相官邸や英議会議事堂、ロンドン市内の各国公館などを警備する制服警官になった。エヴァラードさんが失踪した時は、非番だったという。

カズンズ容疑者のほか、9日夜にはケント州で30代の女性が犯罪の共犯として逮捕され、後に保釈された。

(英語記事 Sarah Everard: Met PC Wayne Couzens charged with murder