2021年03月15日 14:46 公開

ドイツで14日、9月の総選挙の行方を占う上で重要な2州で州議会選挙が行われ、アンゲラ・メルケル首相率いる与党・キリスト教民主同盟(CDU)が大敗する見通しとなった。

バーデン=ヴュルテンベルク州とラインラント=プファルツ州で実施された州議会選挙で、早い段階の開票結果から、CDUの得票率は25%程度になるとみられている。この2州はかつては保守系の地盤だった。

CDUは新型コロナウイルスワクチンの導入ペースの遅さや、マスク調達をめぐるスキャンダルをめぐり国民の怒りを買い、得票率が落ち込んだ。

州議会選挙に先立ち、一部のCDU議員がマスク購入のための政府取引で巨額の利益を受け取っていた疑惑が浮上し、辞任している。

メルケル氏は9月に4期16年の在任を経て首相を退任する。

出口調査の結果は

バーデン=ヴュルテンベルク州では緑の党が得票率33%で首位を維持する見通し。CDUは2016年の前回選挙から減少し24%ほどとみられる。

ラインラント=プファルツ州では中道左派・社会民主党(SPD)が得票率36%で首位をキープする見通しとなっている。事前の世論調査でリードしていたCDUは28%にとどまるとみられる。

CDUのパウル・チミアク事務局長は「今夜の選挙はCDUにとっては良くない」ものだったと述べた。


今回の2州での選挙結果は、緑の党、SPD、自由民主党(FDP)の地方連携への道を切り開くものであり、9月の総選挙後に同様の連立政権を樹立する可能性が高まっている。

SPDの首相候補オラフ・ショルツ氏は、CDUやメルケル政権で連立与党を組むキリスト教社会同盟 (CSU)を排除した政権を樹立する可能性があることを示していると述べた。「可能性は大きい」。

緑の党のロベルト・ハーベック党首は、同党は「今回の成功を連邦議会選挙キャンペーンへの追い風だと受け止めている」と述べた。

世論調査によると、CDUの国内支持率は、ドイツの新型ウイルスのパンデミックへの初期対応が評価されていた昨年6月の40%から、今月は約33%にまで落ち込んでいる。

CDUの首相候補は誰に?

CDUは1月、中道派アルミン・ラシェット氏を新党首に選出した。ただ、同氏が与党・キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の首相候補になるとは限らない。

CSU党首で南部バイエルン州首相のマルクス・ゼーダー氏も有力候補とみられている。党は首相候補を5月下旬までに決めることを目指している。


<解説>メルケル氏の人気は健在だが、党の支持は?――デミアン・マクギネス、BBCニュース(ドイツ・ベルリン)

今回の選挙結果は予想以上に悪かった。CDUの新型ウイルスのパンデミック対応がその要因とされている。

感染者数の増加やワクチン展開のペースが遅かったことが、国民をいら立たせている。そして、一部の保守派議員が政府のマスク取引で多額の利益を得ていたことにも、国民は激怒している。

アンゲラ・メルケル首相自身の人気は依然として健在だ。しかし彼女の任期満了まであと半年だ。9月に総選挙を控える中、今回の結果は彼女の政党にとって幸先のいいものとはいえない。


(英語記事 Merkel's party slumps to defeat in regional polls