2021年03月15日 15:08 公開

オーストラリアで、政界における性暴力被害の訴えをきっかけに、社会のさまざまな面での女性に対するセクシュアルハラスメントを非難する声が高まっている。15日には、全国40カ所以上で抗議デモが開かれた。

政界での性暴力について最初に非難の声を上げたのは、元政治アドバイザーのブリタニー・ヒギンズ氏(26)だった。先月15日、2年前に議会で同僚にレイプされたと訴え出た。

その後、多くの訴えが続いた。

今月3日には、クリスチャン・ポーター司法長官が、1988年に女性をレイプしたとの疑いが自らに向けられていると明らかにした。

ポーター氏は疑惑を否定。警察も証拠不十分を理由に、同氏の捜査を打ち切った。一方で、別の捜査やポーター氏の辞任を求める声が上がっている。

スコット・モリソン首相は、さらなる捜査を求める声には抵抗を示している。この事件の被害者とされる女性は昨年、死去している。

そうした中、ポーター氏は15日、豪放送局ABCを名誉毀損で訴える考えを明らかにした。

政府の対応も非難

一方、野党・労働党は15日、党内の男性らがセクハラや性差別をしたとする匿名の訴えが数十件届いているとし、党の文化を見直すと表明した。

セクハラなどに抗議の声を上げている人々は、性被害を訴え出た人に対する政府の対応についても、容認できないと主張している。

ヒギンズ氏の元上司のリンダ・レイノルズ国防相は、同氏を「うそつき女」と表現。謝罪と慰謝料の支払いを命じられた。

ヒギンズ氏はモリソン首相についても、同氏の訴えを話題にしたとき、「被害者を責める」言葉遣いをしたとして批判している。首相はこれを否定している。

「性暴力を社会が容認」

15日にパースであった抗議デモには、約3000人が参加。シドニー、メルボルンなどでも同日、抗議集会が開かれた。一部の集会は、新型コロナウイルス対策の集会制限の対象から除外された。

この日のデモは、ポーター司法長官が自らの疑惑を明かしたことをきっかけに、呼びかけられていた。

首都キャンベラでは、国会議事堂の外で開かれた集会でヒギンズ氏が演説。「恐ろしいことに、オーストラリアで女性が経験する性暴力をこの社会は容認している」と述べた。

さらに、「私の話が新聞の1面に載ったのは、国会議事堂で起こるなら、まさにどこでも起こりうることを、女性に痛々しいまでに思い起こさせたからだ」と語った。

抗議の高まりを受け、モリソン首相はデモ主催者らの小グループと面会しようと、国会議事堂に招待した。しかしデモ主催者らは、首相と女性担当相が抗議集会に参加し、セクハラ問題について発言すべきだとして、招待をはねつけた。

デモ主催者らは、政界での性差別的な言動に対して厳しく責任を取らせるよう求める、9万人以上の署名が入った請願を提出する予定だ。

(英語記事 Thousands of Australians march against sexual assault