2021年03月19日 16:17 公開

米投資銀行ゴールドマン・サックスの入社1年目の社員らが、過酷な労働環境を改善しなければ退職すると警告している。

内部調査では、社員13人が週平均95時間働き、睡眠時間が毎晩5時間だと訴えた。

また、心身の健康や人間関係にも悪影響が出たとしている。

こうした状況が改善されない場合、社員らは6カ月以内に退職する可能性があると警告している。

「非人道的」で「虐待的な」労働環境

17日以降にソーシャルメディアで拡散され始めたこの調査は、同行でアナリストとして働く1年目社員のグループが行ったもの。

今回の調査によって、若い金融アナリストたちが高給のポストを奪い合う、金融街ウォール・ストリートの一流企業における過酷な労働環境の一端が明らかになった。

BBCが入手した調査結果では、ある回答者がこう書いている。

「睡眠不足、先輩社員からの扱われ方、心身にかかるストレス(中略)私は養子として育てられたが、この職場環境の方がまず間違いなく悪い」

別の回答者は、「これは勤勉という域を超えて、非人道的かつ虐待に等しい状況だ」と述べている。

調査によると、すべての回答者が、仕事が友人や家族との関係に悪影響を及ぼしていると答えた。また77%が職場でのいじめにあっていると述べた。

心身の健康を採点する項目では、ゴールドマン・サックスで働く前のメンタルヘルス(心の健康)面では10点中8.8点、身体の健康は10点中9点だった。

一方、就職後の状態についてはメンタルヘルスが2.8点、身体の健康は2.3点となった。

また、「過剰な監視や細かな管理」に直面したと答えたのは83%に上り、17%が頻繁にどなられたり罵声を浴びせられたりしたと述べている。

調査では、勤務時間が週80時間を超えないこと、金曜日の午後9時以降や土曜日の勤務を禁止することなどを推奨。

その上で、ストレス減少に向けて現実的な締め切りの設定やワークフローの改善が必要だと訴えた。

燃え尽き症候群

調査を行ったグループは、2月にこの結果をゴールドマン・サックスの経営陣に提出。同行は、このグループやその他のチームでの燃え尽き症候群に対処しているとしている。

広報担当者のニコル・シャープ氏はBBCの取材に対し、「企業活動は力強く、仕事量も史上最高に達しており、社員がとても忙しくしていることは理解している」と述べた。

「新型コロナウイルスの流行もあり、この1年はみながとても疲弊していることは当然だ。だからこそ社員の懸念を聞き入れ、解決に向けさまざまな方策を講じている」

ゴールドマン・サックスは、金曜午後9時から日曜午前9時までの業務を禁止する「Saturday Exception(土曜除外措置)」を徹底するとともに、若手社員の仕事の一部を自動化しようとしていると述べた。

同行の2020年の総収入は446億ドル(約4兆8500億円)だった。

(英語記事 Young Goldman Sachs bankers ask for 80-hour week cap