2021年03月21日 11:32 公開

英ロンドン中心部で20日、数千人がパンデミック対策のロックダウンに抗議して行進した。イギリスでは現在、感染対策のため大人数の集会は禁止されているが、複数の下院議員が政府に、平和的な抗議行動を認めるよう呼びかけていた。

デモ隊は、市内中心部のハイドパークから議事堂のあるウェストミンスターまで行進した。ロンドン警視庁は、少なくとも33人を感染対策違反で逮捕したと明らかにした。参加者の人数は、警察の予想を超えて多かったという。

ハイドパークでは一部の参加者が警察にびんや缶を投げつける場面もあった。

内務省は、現在の感染対策法のもと、抗議集会に参加するのは今も違法だと指摘した。

現場から―――ジョン・ドニソン記者

ロンドンの官庁街ホワイトホールを、数千人がロックダウンに抗議して行進した。太鼓に合わせて「自由」と唱える人たちもいた。

「NHS(国民保健サービス)と政府はうそをやめろ」と書かれたプラカードを手にする男性もいた。

マスクをしている参加者はほとんどいないし、社会的距離を保とうとする動きもない。

警官は大勢いるが、ほとんどは事態を静観している。

参加者の中には陰謀論者もおり、主要メディアが「フェイクニュース」を広めていると非難している。しかし、行進しているのはそういう人ばかりではない。

女性の1人は私に、新型コロナウイルス感染症COVID-19がひどい病気だというのは分かっていると述べた。

「自分も去年3月にかかった。でもこのロックダウンはやりすぎ」だと、匿名希望のこの女性は話した。

平和的抗議は「基本的自由」

このロックダウン反対デモに先駆けてロンドン南部クラパム・コモンでは13日夜、帰宅中に死亡した女性の追悼集会が開かれ、警察が感染対策を理由に一部の参加者を強制排除し、非難された。

この後、60人以上の下院議員や上院議員が内務相に、ロックダウン中の平和的デモを認めるよう手紙で要請した。

野党・自由民主党の党首、サー・エド・デイヴィーは、クラパム・コモンでの混乱は、平和的抗議集会について明確な決まりがないことが混乱につながり、警察を「どうしようもない難しい立場に追い込んだ」と指摘。平和的に抗議する権利は「基本的な自由」だと述べた。

英政府の首席科学顧問、サー・パトリック・ヴァランスは今月初め、屋外での抗議集会は感染急増につながっていないと議会で説明。屋外の集会も危険がゼロではないものの、屋内で集まるよりは安全だと述べた。

「海辺で大勢で集まったりするなどが感染急増につながるとは考えにくい。同様に、ニューヨークでの抗議デモの後も特に感染急増は見られなかった」とヴァランス氏は述べ、屋外イベントで危険なのは同時に屋内でも集まれるようになっている時で、それはリスク上昇につながるが、屋外で集まること自体の感染リスクは低いと話した。

(英語記事 Covid: Arrests during anti-lockdown protests in London