2021年03月22日 11:05 公開

アメリカのロイド・オースティン国防長官が21日、予告なしにアフガニスタンを初訪問した。アメリカはアフガニスタンの反政府武装勢力タリバンとの和平合意に基づき、5月1日までの駐留米軍の完全撤退を予定している。

アジア歴訪を終えたオースティン米国防長官は21日にアフガニスタンの首都カブールに到着した。ジョー・バイデン政権の閣僚のアフガニスタン訪問は今回が初めて。

オースティン氏はカブールでアシュラフ・ガニ大統領と会談。終了後、責任ある戦争終結が必要だとしたが、駐留米軍の完全撤退の期限が守られるかどうかには言及しなかった。

オースティン氏は交渉で戦争を終結するには、暴力行為のレベルを下げることに重点的に取り組むべきだと述べた。

アメリカのドナルド・トランプ前政権とタリバンは昨年2月、米軍の撤退と、タリバンとアフガニスタン政府の捕虜交換が盛り込まれた合意文書に署名した。しかし、タリバン側がアフガニスタン政府と交渉するという誓約を守っているかどうか疑問視されている。

1月に米大統領に就任したバイデン氏は先週、5月1日の完全撤退期限を守るのは難しいと表明。タリバン側は、期限が守られなければ米政府が責任を取ることになると警告した。

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オースティン氏は記者団に対し、タリバンが和平合意に基づく義務を果たしているかどうかについては言及しなかった。

米紙ニューヨーク・タイムズは、オースティン氏が「アフガニスタンで暴力力行為が依然頻発しているのは明らかだ」と述べたと伝えた。

「暴力行為が減少することを心から望んでいる。もし減少がみられれば、実りある外交活動のための条件を整えられる」

アフガニスタンからの外国軍の撤退をめぐっては、永続的な合意に達する前に実行されれば、タリバンが勢力を取り戻すのではないかと懸念されている。

アメリカは、現在アフガニスタンには約2500人の米兵が残っているとしている。

アメリカとタリバンの合意とは

トランプ前政権はアフガニスタンからの米軍撤退を優先させた。

2020年2月の和平合意は、米軍と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国が14カ月以内に完全撤退するというものだった。ただし、タリバンが合意を履行することを条件としている。

合意では、タリバンは支配下にある地域でアルカイダなどの過激派組織の活動を認めないことなどに同意した。

この歴史的合意の一環として、タリバンは外国の軍に対する攻撃をやめた。しかし、アフガニスタン政府との戦いは続けている。

タリバンはアフガニスタン政府との交渉開始の条件として、タリバン戦闘員数千人と政府側の捕虜の交換も要求した。両者の交渉はカタール・ドーハで2020年9月に始まったものの、状況打開には至っていない。

(英語記事 US defence secretary on unannounced Afghan visit