2021年03月25日 11:49 公開

米ヴァージニア州のラルフ・ノーサム知事は24日、死刑制度廃止法案に署名した。南部の州で死刑制度が廃止されるのは初めて。

ノーサム知事は、人種的格差の歴史がある「死の装置」を止めるためのものだと説明した。

米国では死刑に関する議論が再燃している。

1976年に米最高裁が死刑を支持して以降、ヴァージニア州はテキサス州に次いで2番目に多い死刑を執行してきた。

アメリカでは死刑の大部分は、かつて奴隷制を敷いていた南部連合を構成する南部の州で執行されている。

現在も27州で死刑が認められている。その一方で、一部の州では死刑執行のモラトリアム(一時停止)が行われてきた。

ドナルド・トランプ前大統領は連邦政府のモラトリアムを終了させた。昨年、17年ぶりに連邦政府レベルでの死刑執行が再開され、数カ月間で13件ほどの死刑が執行された。このうち6件は、昨年11月の大統領選でジョー・バイデン氏に敗北した後に行われた。

バイデン氏は選挙戦で連邦政府の死刑制度を廃止し、各州に追随を促すと誓っていた。しかし、大統領就任後はこの問題に言及していない。

米民間団体・死刑情報センターによると、ヴァージニア州では植民地時代から約1400件の死刑が執行されてきたという。

同州議会で多数を占める民主党は、死刑制度の影響が有色人種や精神疾患のある人、貧困層に偏っているとして、廃止を推進していた。

ノーサム州知事は法案に署名する際、20世紀中に同州で処刑された377人のうち296人が黒人だったと指摘した。

同州の死刑囚監房に残されている死刑囚2人はいずれも黒人。死刑制度が廃止されたことで、2人の量刑は仮釈放なしの終身刑に切り替わることとなる。

国連によると、194の加盟国のうち170の国で法律上あるいは事実上、死刑制度が廃止されている。死刑を廃止していないアメリカは、繰り返し国際的な批判を受けている。

(英語記事 Virginia abolishes the death penalty